2011東北ツーリング五日目 ~十和田→八甲田山→キリストの墓→馬仙峡→花巻~

今回の宿泊地「道の駅 奥入瀬」にて迎えた朝。
東北ツーリング、5日目にしてようやく爽やかな朝がやって来た。そんな訳で沸かしたコーヒーを飲んでテントを撤収するまでの間、ジャケットの内側やら何やらを日に当てて干している。ちなみに昨日の夜からフライシートの上に広げておいた雨に濡れた室内着用のジーパンはほぼ乾いた。

よっしゃ~っ!今日は気分良く走れそうだぜっ!

今日は取りあえず青森市街でちと探し物をしなければならないので北上するのは決定なんだが、どういうルートで向かいますかねぇ。十和田湖←→青森は過去も含め何度も走ってるから、ちと大回りにはなるけれど、国道4号を使って「陸奥湾」と「青森湾」を眺めながら行きますか。

しかしまぁ、晴れてりゃどこ走っても気分がいいもんだぁね。下北半島の付け根の街「野辺地」からは右手に海を眺めながら進みます。この一帯はホタテの養殖が盛んだと思うんだが、大丈夫だったんだろうか。。。

青森市街まであと15キロ程の場所にある浅虫温泉に寄っていこうかとも思った(道の駅にくっついてる露天風呂からの眺めが最高にいいんだよねぇ)が、あんまりのんびりしていると青森から出られなくなってしまいそうなので今回は我慢我慢。次来たときにはヨロシクね。

こんな感じに青森市街にやって来たんだが、日本最長の国道4号の終点だから何かしら変わった標識でも有るんじゃないかと思ってゆっくり走ってみるものの何も無し。それから探し物を見つけに、過去何度も世話になった函館行きのフェリーが出る「青森フェリーターミナル」へ立ち寄ってみたものの…お目当ての物は発見できず。
仕方がないので青森ベイブリッジを渡ってもう一度市街地へ入って行くと、ようやく商店街でお目当ての物を発見!。

今の時刻はと言うと…10時ちょうどかぁ…これなら高速使わなくっても良さそうだな。それでは国道103号を使って十和田湖へ向けて山登り開始で~す。

いい天気の下、八甲田山へ向かってグリグリ走ります。途中から国道とは反対側の八甲田山の麓を抜ける県道40号へちと逸れまして、5キロ程進んだ先にある「八甲田雪中行軍遭難記念碑」へ。真冬の行軍で参加者210人のうち199人もの命が失われた悲劇の舞台。

駐車場から小高い丘を250メートル程登った所に記念碑はあるんだが、記念碑まではまだ1メートル近く雪が積もっているので、その上を歩いてゆかねばなりません。

「当時はこんなもんじゃ無かったんだろうなぁ…」と思いを馳せながら登って行くと徐々に記念碑が見えてきます。

小さな広場に立つ「後藤房之助伍長の像」。

見学を終えた後は、ふもとの「銅像茶屋」で一休み。「豚串焼」を頼んだところ焼き上がりまで5~6分掛かりますとの事なので先に缶コーヒーでも。

何にしようか眺めていると…「奥入瀬珈琲」なるものが目に止まったのでこちらをポチっとな。さっそく飲んでみましたが、某「エメマン派」と「微糖派」の争いのどちらの陣営に属すかというとサッパリ系と言うこともあって明らかに「微糖派」でしょうな。それはそうとこれは何かの製品のラベルを張り替えただけなんでしょうか?何というか、あんまり缶コーヒーでは口にしない気がするタイプのコーヒーです。

    

ベンチに座って缶コーヒーを飲みながらボケ~~~っとしていたら「豚串焼出来ましたよ~」と呼ばれまして、さっそくパクリ。おぉ、噛めば噛むほど甘い肉汁が滲んできてこりゃ旨い。朝飯代わりに丁度良かったです。ご馳走さまでした。

八甲田山を背にした後は、奥入瀬渓流沿いを抜けていきます。この一帯は散歩するのに最高な場所なんですが、最大の弱点はまともな駐車場が殆ど存在しない(多分整備も出来ない)事。

川沿いを歩くトレッキングに最高な場所の為、一度駐車場に入った自動車は数時間出てきません。確実に路駐を避ける為には、朝早くやってくるか、タクシー類で送ってきてもらう位しか対処法が有りません。

ただ道自体の幅は無茶苦茶細い訳ではないので、バイクで行って邪魔にならなそうな場所に停めるか、「奥入瀬渓流館」でレンタサイクルをやっているようなのでこちらを借りて巡ってみるのがいいかもしれません(今回、レンタサイクルらしき方々を結構見かけました)。

奥入瀬渓流を抜けると十和田湖へ。十和田湖といえば高村光太郎作の「乙女の像」なんですが、今回は名前だけの紹介ということで。今度十和田湖畔のキャンプ場に来た時に紹介します。今回のツーリングでこの湖畔で一晩泊まりたかったんだがなぁ。

    

十和田湖からは国道454号を走って東へ。青森県新郷村にある「道の駅 しんごう」で小休止。「牛乳ソフト」なるソフトクリームを頂きましたが、ソフトクリームの量がかなり多い部類に入ります。これは大歓迎ですな(笑)

この後は更に東に進みまして、東北のバイクツーリング記事で時折出てくる「キリストの墓」へ。

設備がどうのとか言う事ではなくて、信仰心そのものをミクロン単位でしか持っていない俺にとっては色んな意味で微妙な場所だったなぁ(汗)
そう言えば、何故かここの駐車場に停まっていた車のナンバーは「相模」やら「川崎」やら「大宮」と関東ナンバーばかりだったな。

「キリストの墓」の後は県道45号で岩手県方面へ近道をしつつ、岩手県境の街「三戸」へ。三戸城跡の桜が素晴らしいとのことで行ってみると、桜の素晴らしさもさることながら、立地的に最高な場所に城を建てたなぁという印象です。小山と呼ぶには少々大きな丘の上にお城が建っているような造りでして、地形そのものが大きな石垣のような役目を果たしているような構造です。

頂上部分の広場ではちょうど「春まつり」真っ直中でして、出店が沢山出ていたりと、お花見真っ盛り。バイクでなけりゃぁ俺も参加できるんだがなぁ…。俺も昼間から飲みてぇなぁ…。

酒の誘惑を何とか振り切った後は、国道4号で南下開始。程なく岩手県入りしまして、何か見所が無いかなぁと思っていると…二戸に差し掛かったところで「馬仙峡展望台」なる標識が目に飛び込んできた。

で、山道を4キロ程グリグリ登って行ってみたのがこちら。

何というか…水墨画に描くとしっくりきそうな風景が眼下に広がります。この「男神岩」もいいんですが、山間を流れる川と田んぼの風景自体が素晴らしい。

この後はひたすら国道4号を南へ走って行くんですが、国道の道路標識には左向きの矢印と共に今回の地震で津波の被害を受けた地名が次々と現れます。「久慈・宮古・釜石…」。職場の隣の席の方の故郷が久慈市だったり、長野の宿でお世話になった若女将の故郷が宮古市だったりと、我々は普段気が付いていないだけで、実は深く繋がっている関係なのかもしれません。

それから道路標識といえば、普段は「交通ルールを守りましょう」やら「早めのライト点灯を」だの、どうでもいい内容を垂れ流している印象のあった時折見掛ける電光掲示板だが、東北全域で「がんばろう!東北!」と表示されていた。「やりゃぁ出来んじゃねぇかっ!」と俺は思ったな。普段からこれくらい気の利いた事を流しとけっつうんだよ。

そんなこんなで途中「道の駅 石神の丘」でちと休憩。道の駅ってのは、結構ひらがな表記の場所が多いんですが、ここは硬派に漢字ですな。何となくフードコートを覗いてみると…「道の駅 石神の丘」で出すラーメンだからなのか「石神ラーメン」なるラーメンがあるではないか。。。

もしやあのラーメン王「石神」プロデュースのラーメンなのかっ!(それは違うかと…)

気が付いてしまった手前、ネタ的に食べずにはいられなくなりまして…食べました。

    

いわゆる一般的な醤油ラーメンでして、縮れた細麺にノリ、メンマ、刻みネギ、ホウレン草、ノリにナルトにチャーシューが載った一杯。チャーシューは食べていて、結構な存在感を感じました。これで480円ってのはこういう場所では嬉しい値段設定ですね。

ただなぁ…これで「ラーメン王」を名乗れるのであれば…

「ラーメン王に…俺はなるっ!」(C) ルフィ (だから違うんだって…)

「道の駅 石神の丘」を出た後、左手に見えるローカル線を電車が通りかからないかなぁ…と思っていたら、2両編成の列車がやってきた。おおっ!これが青春18きっぷでは乗れないという事で知っている「IGRいわて銀河鉄道」かぁ。乗れないと言われると乗りたくなるもんだよな(笑)ま、そりゃそうと…

ローカル線なのに早くてついて行けないんだが…さすがは銀河鉄道だ(笑)

この後は花巻の15キロ程手前(北側)の柴波町のホームセンターで、毎度の事ながらエンジンオイルを1リットル補給し、雨中走行で脂っ気が抜けてしまって異音がし始めていたチェーンに給油をしていたら日が暮れ始めた。地図をみて今晩の寝床を物色すると…花巻から東にちょっと向かった所にある「道の駅 とうわ」ってのがいけるんじゃないのかな?それにどうやら温泉もありそうだ(喜)

ちょうど今いるホームセンターの隣にスーパーがあるし、ここで今晩の材料&酒を買って向かいますか!

*個人的にキャンプツーリングだと急激に走行時間が減るんですが、日暮れ前にテントを建てたいと言うよりは、スーパーで地元ならではの旨そうな「つまみ探し」に時間を費やしてる事が大きいんだよな(笑)

晩飯の材料に、もちろん酒も買って、やって来ました「道の駅 とうわ」。「東和温泉」なる施設も併設されてます。

施設の前にはキャンプ道具を満載した10台位のハーレーがすでに到着済み。考える事は皆一緒ですな。

脱衣所に入ると、観光客と言うよりは作業着姿の方の姿が目立ちます。仕事の方はもちろん、ボランティアの方も沢山いる印象ですね。洗い場の数は結構多いんですが、もはやパンク寸前。幸い湯船は洗い場よりもさらに大きめなので、芋洗い状態で皆さんお湯に浸かってます。とは言え、もちろんみんな笑顔です。

いいお湯を頂いた後は、同じ敷地内にちょうど良さそうな場所を見つけたのでテントを張りまして…

今晩の地酒はこちら。 「月の輪の池に咲きたる夢の華」・「堀の井」・「蔵みこし」の3種類で~す。

それぞれ「月の輪酒造店」「掘の井酒造店」「桜顔酒造」という岩手のスーパーで普通に売ってる岩手のお酒です。

それでは…岩手に乾杯。