潮岬望楼の芝生キャンプ場にてお目覚め。キャンプ場は朝のんびりしてても全然問題無いのがいいよな。キャンプ場でテントを張ってて文句を言われる可能性は無いし。そんな訳で静岡からやって来たバイク乗りの方としばし歓談。
週末と言う事で結構な台数のバイクがキャンプ場に来ていた。俺のバイクもパニアになったからステッカー貼るスペースはたんまり有るんだよな。貼ってみっかな。
雨雲レーダーで雨の様子を確認してみると、どうやらもうすぐ雨雲に飲み込まれる模様。どうやら今日は合羽な一日になりそうだなこりゃ。
そんでもって今日の最初の目的地は潮岬の東に伸びる樫野埼。昨日ツーリングマップルで知ったんだがトルコ軍艦遭難慰霊碑が有るそうだ。
まずは樫野埼灯台。背丈が小さいけれど独特なデザインの灯台だな。左の螺旋階段のハンドルみたいなのは回るんだろうか?それにしてもかなり大きいよね?
もしかして「進撃の巨人」の巨人用とかなのかっ!?(実は進撃の巨人、読んだ事が無い)
こちらは灯台のすぐ近くにあるムスタファ・ケマル・アタテュルク騎馬像。トルコ共和国の偉大な初代大統領だそうだ。天を指差すその姿に明日へ向かって突き進んでいく力強さを感じるな。
続きまして開館時間になったトルコ記念館を訪問。
ここではトルコ軍艦「エルトゥールル号」遭難事件当時の様々な事を知る事が出来る。
展示には「悲劇の軍艦エルトゥールル号」と「テヘラン脱出」の本の展示も。これを見て実は不覚にも涙ぐんでしまったよ俺。
…まぁここで知った事をそのまま書くようになってしまうんだが…
「悲劇の軍艦エルトゥールル号」
明治22年(西暦1889年)7月14日、当時のオスマン帝国(現トルコ共和国)から巡洋艦エルトゥールル号に乗って使節団がやってきた。国賓として出迎えられた656名の船員達ではあったが横浜港から帰国の途についた後の9月16日、ここ樫野崎沖で台風に見舞われ操船不能の状態に陥り、船甲羅と呼ばれている岩場に座礁し沈没してしまった。最終的な犠牲者は587名、生存者は69名という大惨事になってしまう。
樫野埼灯台の灯台守は海から這い上がってきたトルコ人の船員達を見つけ、言葉が通じないながらも当時の国際信号旗による会話で船が遭難した事を知り、地元住民に救助を要請。駆けつけた島民達(当時は橋が掛かっておらず、陸路の無い島だった)は、折からの台風で漁に出られず食料的に厳しい状態であったにも関わらず手持ちの食料を供出し、家に招き入れ…遺体を収容する辛い作業にも携わった。
…その後、当時の日本海軍の比叡と金剛によりオスマン帝国まで船員達は無事に届けられた。
このエルトゥールル号の悲劇とその後の献身的な島の方々の行いはトルコ共和国の教科書に載っている事も有り、トルコ人の方々の多くが知る事となる。
~エルトゥールル号の悲劇から100年~
「テヘラン脱出」
イラン・イラク戦争が長期化する1985年3月17日、イラクのフセイン大統領は遂に上空を飛行する航空機は無差別に撃墜するとの声明を発表。猶予は僅かに48時間。イラクに留まっていた日本人215名を国外に脱出させるべくイラン日本大使館が奮闘するのだが…
当時も自衛隊による海外救援は法的にも装備的にも想定されておらず、日本航空を始めとする国内各社も安全の確保が出来ない事もあり救援要請を拒否。他国に支援を要請するもことごとく拒否される中、唯一トルコ共和国が要請に応じ、トルコ航空の臨時便を手配。「エルトゥールル号の御恩返しをさせて頂きます」と語ったと言われているそうだ。
トルコ共和国の皆様の恩義に感謝致します。そして大島の島民の方々にも。
展望台からはエルトゥールル号が座礁、沈没した船甲羅が今日も目前に広がっている。自然、そして海というものは美しくもあり、厳しくもあり、時に残酷ですらある。今日は風が強かったな。
トルコ軍艦遭難慰霊碑には左右にトルコ語と日本語による慰霊碑の設立目的が埋め込まれていた。慰霊碑正面には当時のオスマン帝国旗と日章旗が今日もはためいている。
こんな感じに何だかやたらと長くなってしまった樫野埼を後にしまして、雨が降り出した国道42号をひたすら北西へ。とにかく寒いったらありゃしない。
海岸線を駆け抜けて和歌山空港(南紀白浜空港)近くにある次の目的地「アドベンチャーワールド」に到着したのはちょうどお昼頃。
何となく野宿バイク野郎には相応しくない施設な気もするが…アイツの為なら入るしかあるまい。
…アムロ、行きま~す!(またかよ…)
アドベンチャーワールドの中はまるで大規模遊園地の様な造り。分かりやすく言うと…
「東京ネズミ-ランド的」とでも言いましょうか…(ネズミ算発祥の地)
日曜日の昼下がりと言う事も有り、どう考えても家族連れとデート中のアベックしか居ないという完全アウェイの中辿り着いたのが…
少々雨が降っているけど普通に屋外にいるパンダ…えぇっ!?(爆)
なんでこんなに普通なんだよ和歌山のパンダっ!上野動物園では見学の列に並ぶわガラス越しだったりとプレミアム感満載なんだが…ここではカバでも眺めるがごとく普通に皆通り過ぎてゆく。。。「パンダかわいいね。」「うん。そうだね。」…以下省略
皆様っ!あそこに居るモフモフな奴、パンダですからっ!(叫)
実はここ和歌山のアドベンチャーワールド、パンダの繁殖に既に12回も成功しているという上野動物園も真っ青な施設なのでありました。そんな訳で…
…何故かホッキョクグマの方が大人気(爆)
こちらを向いてガンを飛ばしているとしか思えないペンギンがいたり…(やんのかコラ)
やたらとデカいエンペラーペンギン。何じゃこりゃ~っ!
昼飯はバイク野郎にお似合いのパンダのハンバーグプレート。
再び寛ぎ中のもふもふパンダを眺めて…撤収。もの凄く広大な施設なので本来であれば2日間程かけて見て回るのがいいらしい。それから上野動物園もここと同じ位の入場料を取ればパンダの繁殖に成功するんではないかな?という気もしたな。
アドベンチャーワールド入場料…4100円也…あぁ…(涙)
何だかんだ言って結構いい時間になりつつあるので高速を使って一気に和歌山市街までワープ。国道24号沿いに続く郊外型の大規模店舗の多さを再認識したりしながら高野山金剛峯寺へ。
ここもいい感じですな。ゴールデンウイーク前の静けさってな感じかな。
しばし和の空間を楽しんでねぐらを探しながら晩飯の材料を買い、結局来る時に既に目を付けていた道の駅 紀の川万葉の里へ到着。
微妙に気になる張り紙があったりするけど、まぁ大丈夫でしょう…(猛毒)
クジラの刺身がスーパーで普通に売られているあたりがさすが和歌山ってな感じだな。さて…明日はいよいよ四国入りかな。
本日のGPSログはこちら。こうして見ると、和歌山県って結構デカいな。