2011東北ツーリング二日目 ~蔵王エコーライン→川渡温泉→マース盛岡~

時折小雨の混じる中、遠刈田温泉を抜けて蔵王エコーラインへ。

交通量は至って少なく、一生懸命追い越ししたりしなくっても十分快適に走れます。まぁ、普段からそんなに交通量が多い道では無いんだけれどもね。ある程度登って行って「滝見台」に差し掛かったんだが、この一帯の道路の傷みが激しいようで「滝見台」へ向かう測道は通行止め&蔵王エコーライン自身も大規模に片側交互通行で、完全に修復されるには結構な期間がかかりそう。冬場は工事なんて出来ないだろうから、この夏に直せなかったら来年まで持ち越し確定だろうなぁ…

そんな事を考えながら前に進んでいくと、更に大きな問題点が…

ぎょえっ!!ゲート閉まってんじゃん…(涙)

一昨日開通したと聞いたんだが…「積雪の為通行止め 開通の見通しはありません。」とな。う~む…これは山形方面へ今日向かうのは断念した方が良さそうだ。廻りの自動車でやって来た観光客の家族連れも「えぇ~っ…御釜まで行けないのぉ~?」と不満たらたらだが、雪が降ったんじゃぁ仕方あるまい。

一方、ポジティブ思考な俺はあっという間に頭を切り換えて、ゲートの側に是非見てくれと言わんばかりに置いてあった宮城県の誇る除雪車見物を開始。こりゃずいぶんとデカイよな。構造的には前方の大きな輪っかで雪を掻き込み、奥にあるローターで左右に雪を吐き出す仕組みらしい。

ただ、でっかい割には横幅が2車線分は無い気がするんだが…2回に分けて除雪すんのかな?ま、大きすぎるとカーブとかで何かと不便な気はするが。

除雪車を舐め回すように見物した後は、今後のルートをちと検討。山形県方面へ行かないとなると、自然と北上する事になる訳なのだが…国道4号経由で仙台の東側を抜けていくのは、いくらバイクと言えども邪魔な気がして気が進まない。。。となると、宮城県の中央部を南北にのらりくらりと抜けていく国道457号ってのを使うしか無さそうだ。

こんな感じに国道457号を北上し始めた訳なのだが…曇りの予想だった週間予報は外れだったのか、大降りの雨が降り始め…「愛子」と書いて「あやし」と読む難読地名あたりでついに土砂降りとなるのであった。

難読地名と言えば北海道のアイヌ語読みの地名に対して無理矢理つけた漢字も読めないが、ここ「愛子」のように簡単なのに読めない地名と言って思い出すのは石川県の「石動」。どうがんばっても「いするぎ」なんて読めないだろう。

ま、こんな豆知識みたいな話はともかくとして、俺はツーリングで「雨が降らない」という天気予報が外れる度に、とある人物の顔が頭に浮かび…そしてそいつに文句を垂れている。今回ももちろん文句を言ってやらねばなるまい。別にこの人物が天気予報界を取り仕切っている訳では無いんだが、何となく「文句を言いやすそうな存在」なのは確かな訳でして。では今回も「心の底から」叫ばせて頂きます。

「石原良純っ!責任取れやっ!」

宮城県のちょうど真ん中辺りに位置する「加美町」の「バッハホール」前で小休止。室内楽専用ホールって事で名前を聞いたことがあるので寄ってみたんだが、どうやらこちらも地震により設備が壊れているらしく当面休館との張り紙が。再開後に一度演奏会を聴きに来てみたいですな。

この時点ですでに15時を廻っているので、そろそろ今晩の寝床を考えないといけない訳なんだが…ブーツカバーを履くタイミングが遅すぎた為、すでに靴の中は雨水でグシャグシャ&こんな日に寒い雨の中でテントを張って寝るのは嫌になりつつあったので別の手段を考える…

そうだなぁ…ちと遠いが、岩手県にある以前泊まったことのある健康ランド「マース盛岡」に今晩は泊まっちまうかな。それから途中で立ち寄れそうな温泉はと言うと…おぉっ、ちょっと寄り道すれば「鳴子温泉」があるではないかっ!まずは「鳴子温泉」目がけて行きますか。

こんな訳で少々国道47号へ浮気して西の方角へ。曇りっぱなしのタンクバッグのツーリングマップルによれば、「鳴子温泉」のちと手前「川渡温泉」に詳細情報のマークが。ってことは立ち寄り湯にちょうどいい場所があるって事なんだが…「鳴子温泉」は被災者の受け入れをしつつ客足自体は減ってしまっていて大変だと聞いたんだよなぁ…。

でもこの二つの温泉、実際のところ結構近いのと、沿線を繋ぐ陸羽東線の駅名を西から順に書き出すと…「中山平温泉駅」「鳴子温泉駅」「鳴子御殿湯駅」「川渡温泉駅」と、要するに全部温泉最寄りの駅。早い話が「鳴子温泉」てのが総代表の名前みたいな存在なだけっぽいので、遠慮無く「川渡温泉」へ立ち寄りま~す。

実は結構迷ったりしつつ「川渡温泉浴場」へ無事到着。びしょ濡れのグローブを外したり、オーバーパンツを脱いだりしていると、風呂から出てきた地元のおじいさんに声を掛けられた。

「あんた水戸から来たんかぁ?ほぉぉぉ…。地震は大丈夫だったかぁ?ほぉぉぉ…。ここの湯はいい湯だからのんびりしてってけれ。」

どうやらこの「川渡温泉浴場」地元の方がお金を出資しあって建てたものらしく、基本的には出資者の為の風呂らしい。そこに200円を払って入らせてもらうってのが正確な言い方なのかな。

脱衣所でこれまたビショビショの靴下をやっとの思いで脱ぎまして、洗い場で軽く体を流した後に深緑の湯船に入りますと…

んんん…こいつは熱いぞ。。。

体自体が冷えていたので熱いというよりは痛い程。温まるというよりは茹で上がる感覚を味わいつつ湯船を観察しますと、湯の花が豪快に舞ってます。十分に「茹で上がった」状態でお湯から上がって体を冷やしていると、おそらく観光客とおぼしき方が一人やってきた。

どうやらこの方にもこのお湯は熱かったらしく、入った瞬間に思わず「笑って」しまっている瞬間を俺は見逃しませんでした(笑)

湯船に浸かって…冷やして…を4回ほど繰り返して浴場を後にしましたが、さっきまでの寒さは完全にどこかへ消えて無くなりました。

    

少々元気になったので開業10周年を迎えた「あ・ら・伊達な道の駅」でみそこんにゃくを頂きました。甘い味噌が旨いのと、一本100円と安い割には結構でかいです。

この後はひたすら国道4号を北上しまして、岩手県の県庁所在地盛岡市入り。道中、黒い夜空を鋭く照らす花巻空港のサーチライトが印象的だった。そりゃまぁそうと、もう少し天気が良くなってくれないと色々見て廻れないんだよなぁ。。。ま、明日は晴れるんだろうからまぁいいけど。

そんなこんなで21:00過ぎに「マース盛岡」へ何とか到着し、今日は平和に飲んでしまうのだった。

ウーロンハイと「冷や奴・焼き鳥盛り合わせ・ホッケ・もろきゅう」と言うおおよそ若者らしからぬ組み合わせのつまみで飲み進め、ホルモンスタミナ揚げなる一品で〆。

    

    

ホルモンスタミナ揚げってのは、ホルモンを唐揚げ粉をまぶして揚げてある一品なんだが、こいつが結構旨かった。

ま、こんな感じに夜は更けまして…最後は仮眠コーナーでお休みなさ~い。

【宮城県七ヶ宿町】 吉野屋 「天ざる」

    

まだ10時台ではあったが、この先お昼ご飯を食べられる場所が行き先に無いと言うことで、いつも通りかかる(何故か夕方が多い)と営業が終了してしまっているツーリングマップルに載っているこちら「吉野屋」をリクエスト。

古民家そのもののお店では入り口にしかメニューが無いと言う事で、お店に入るとすぐに注文を聞かれます。家族連れとかだとびっくりしてしまうかもしれないので、事前に何にするかを決めておいた方がいいかもしれません。公式お店紹介ページ?らしきものはこちら「そばの店 吉野屋」です。(2011/06/05現在、HPが無くなったみたいです。)

まぁ頻繁にメニューが変わる雰囲気は全く無かったので、このブログでは珍しくメニューを転記しちゃいます。

【品目】
・天ざる                                 1,350円
・天ぷらそば                        1,200円
・街道そば                               900円
・冷街道そば(春夏のみ) 1,200円
・なめこそば                            900円
・もりそば(かけそば)           700円

最初は「もりそば(大盛)」にでもしようかと思ったんですが、かつての同僚が何と「ここは私が…」と男気を見せてくれたので、その男気に応えるべく「天ざる」を注文です(笑)

お茶を頂きながら出来上がりを待つ訳なんですが、店内に置いてあるTVから宮城県のローカル局の声が聞こえてくるため、どうしても地震関連の会話になってしまうのは致し方ないところ。

我が国における地熱発電の優位性について話が及んだ頃合いで「天ざる」が到着!第一印象は「天ぷら」でかっ!。この手の天ぷらの2倍くらいの量がありますな。それから笹の葉の上に一般的な蕎麦としてはやや幅広に仕上げられた蕎麦が載っていて、薬味は刻みネギと葉わさび。

それでは蕎麦つゆを器に注ぎまして…刻みネギを入れて…葉わさびを…これくらいで良いのかな?ってな位入れまして…「ゴチになりますっ!」

ほうほう、こりゃ旨いですな。麺が幅広な理由は噛み応えを考えての事なんですかね。それから葉わさびは、普通のわさびの「ツン」と来る刺激をまろやかにした感じでして、蕎麦本来の味を楽しみたい向きにはこっちの方がいいのかも。

大振りな天ぷらは、その大きさ故に蕎麦つゆの器に二度づけ・三度づけをしないと食べ進められない位です。種類は覚えている範囲で「タラの芽・タケノコ・ふきのとう・舞茸・ワラビ」ってなところかな。ピンク色をした厚みのある大根も、お口直しにちょうどいい。

最後にそば湯を頂いてご馳走様。天ぷらの量がかなり多いので、小食な方がいる場合には「天ざる+もりそば」で天ぷらを半分こしたほうがいいかもなぁ。

そんなこんなで昔から気になっていたお店で美味しい蕎麦を頂きました。奢りと言うこともあって最高に旨かったです。ツーリングでこの近辺には良く来るので、早めの時間帯に通りがかったらまた寄りたいと思います。ご馳走様でした!

2011東北ツーリング二日目 ~地元民と行く「宮城県白石近郊観光」~

かつての同僚宅に泊めてもらった翌朝は、待ってましたのいい天気。そんな訳で朝飯もそこそこに白石観光を開始です。

知人の自動車に乗せてもらって巡るって案も出たんですが、多分途中でそれぞれ向かう方角へ別れた方がいいだろうと言う事で、自動車&バイクで朝の白石へ繰り出しました。

一発目は国道4号から国道113号で5キロ程西へ行った場所にある「スパッシュランドパーク」と言う温水プールを備えた総合公園のシバザクラを見物。

ほうほう、こりゃまさに今がちょうど見頃ですな。

シバザクラを撮っている俺のすぐ横で、何故かかつての同僚は足下の何の変哲もない地面を撮りまくっているのであった。ちと理由を聞いてみたところ…「最近地面を撮るのが楽しい」との事。相変わらずの変人ぶりだぁね。この方、学生時代に脳科学の研究をしていた人物なので、発想が時折「茂木健一郎」ばりに「ぶっ飛んで」いるのはご愛敬(笑)

お次は国道113号を更に5キロ程クネクネと進んだ先にある「小原の材木岩」へ。今回の地震で相当崩れてしまったとのことですが、写真左奥の材木のような岩が手前側にもあったと言う事なんでしょうなぁ。とは言うものの、これから長い年月を経て雨で浸食されていけば、間違いなく元のような光景が広がるんだと思います。自然にとっての時間軸ってのは、人間の人生の長さなんてそれこそ一瞬みたいなものなんだろうし。

お次は七ヶ宿湖に軽く立ち寄った後、国道113号を更に10キロ程西へ行った「滑津大滝」へ。雪解け水で水量が多い為1段目(上段)の滝の横までは行けませんでしたが、2階建ての珍しい構造の滝でした。まともに写真を撮るのであれば、高めの脚立を持って行った方がいいかも。

お次は国道113号を更に10キロ程西へ行った「玉の木原水芭蕉群生地」を散策。木道を歩きながら水芭蕉を眺められる「プチ尾瀬」的な一帯です。ちなみにここではかつての同僚は「水芭蕉って喰えるのか?」について想いを巡らせていたご様子。研究者ってのは何でこうなんだ?(笑)

この後は七ヶ宿方面へ少々戻って、ツーリングマップルにも載っている「手打ちそば 吉野家」で早めのお昼を頂いた後(こちらは別記事にて)、遠刈田温泉方面へ抜ける県道51号を北上し長老湖を目指すものの、湖までの道が地震の影響で通行止めになっており辿り着けず。

かつての同僚はえらく残念がっていた(とっても美しい場所だそうだ)が、今回はここでお別れ。再会の約束をして、かつての同僚は白石方面へ。俺は遠刈田温泉経由で蔵王エコーラインを目指すのであった。

そりゃそうと…何だか雲行きが怪しくないか?週間予報だと、今日は曇りのち晴れだったような気がするんだが…