2012GW ツーリング中に走りながら想う事 ~故郷~

2012_04_28_05_06_ルート

~記録の無い区間(大船渡からの帰還)もあるが、GPSログを繋げてみました~

大きな荷物をバイクに積んで走っていると…物珍しさからなのか…それとも聞いてみたくなるものなのか…「兄ちゃん、どこから来たんだね?」とか「これからどこ行くの?」などと見知らぬ方から声を掛けられる事が非常に多い。

後者の質問は朝だったりすると全く行き先を決めていなかったりするので、頭をかいて自分自身悩んだりする事もあったりするんだが…ま、この話はまたの機会にでも。

どこから来たの?と訪ねられると、茨城県内で無い限りは「水戸からです!」と言う事にしている。水戸自体の場所を誰もが具体的に知っているとは思ってはいないが、水戸黄門の名前の通りが良い事もあって、誰もが皆「おぉ…水戸からですか。」と言ってくれるものである。

俺が実際に住んでいるのは水戸から25キロ程北東にある日立市だったりするのではあるが、別に正確な場所を求められている訳でも無いので…まぁこの説明でいいんじゃないかな?と応える度に思ったりしている。

ただ、キャンプ場やら時には飲み屋などでもう少し突っ込んだ事を聞かれる事がある。「生まれは何処ですか?」と。これについて答えるのはさほど難しくは無い。生まれた場所なんてものは当然一箇所しかないので「大分県竹田市です」と答える訳だ。

さらに盛り上がってくると…「故郷の見所とか名物とかって何がありますか?」などと聞かれる事がある。実はこれを聞かれると少々ナーバスになる。別に茨城に見所とか名物が無いと言う意味では無い。ただ、今住んでいる日立市だけでなく水戸や鹿嶋、そして茨城県自体は俺の故郷と呼べる場所では無いだろう。

…俺の故郷って…そもそも一体何処なんだ?

生まれた場所は一箇所だが、育った場所は転勤族の父親と一緒にあちらこちらを巡っていた関係もあっててんでばらばら。当然の事ながら歌った校歌の数もやたらと多い。俺自身が一人暮らしを始め、自分の事情で引っ越しを繰り返している間も父親達は転勤生活を続けていて…結局縁もゆかりも無い場所が帰省先という形に今現在なっている。

俺にはそもそも故郷なんて存在しないんじゃないのか?という漠然とした不安な気持ちは以前から抱いていたんだが…かの震災後…東北に足を運ぶ度に自分自身に対して感じる不安は一年を経過した今も変わっていない。

俺に…故郷を愛する方々の気持ちを理解する事などそもそも出来るのだろうか?と。

原子力発電所の事故周辺地域だけでなく、故郷を失った方々は沿岸地域を中心に沢山いらっしゃる。その光景を…TVで…新聞で…ラジオで…そしてこの目で見た時に俺が抱く感情は、はたして故郷を持っている人々と同じものなのであろうか?正直…不安である。

実を言うと…普段見知らぬ場所で毎日変わらぬ生活を送り続けている方々の暮らしぶりに感動し、その感動を利用して自らの生活には変化を求める姿は果たして正しい有り方なのだろうか?とも時に思ったりもする…。詰まる所、都市型人間のいやらしさというか何というか…

~あんまり考えすぎるとバイク乗りではなく哲学者モドキになってしまうのでこの辺で~

…ちと色々と考えすぎたので…気晴らしも兼ねてGWのツーリングで濡れたまんまのテントを干しに、またツーリングに行かないといけませんなぁ。そしてそのツーリング先できっとまた聞かれるのです。

「兄ちゃん、どこから来たんだね?」

2012GW ~青木湖キャンプ場・1166BP・大雨の志賀草津道路・そして二重虹~

「栃木県佐野市から小山市方面に立ち込める雨雲」

GWのツーリング最終日の朝は、早朝の土砂降りの雨&雷で一度目が覚めた。ただ、さすがに早すぎる&こんな雨ではテントの外に出る気すら起きないので当然二度寝。

で、6時過ぎに目覚めてみるといいお天気ではあ~りませんかっ!それではコーヒー飲んで顔を洗って歯を磨いてテントを撤収していざ出発!

今日は泣いても笑っても日立の家まで帰るしか無い訳だが、高速以外で取れるルートは3種類程。志賀草津道路経由・浅間山の北を通って嬬恋村経由・少々天気が荒れても平和な軽井沢経由って所だが…まぁ取りあえずは東に向かってみてお天気と相談しながらという事で、県道31号(通称オリンピック道路)を東へ進みます。ここいら辺はいい天気だね。そんな訳でヘルメットの中では当然の事ながら鼻歌混じり。

「偶然を装いながら奇跡は…いつも近くに居る♪」 (C) さだまさし

あれっ?いつの間にかツーリングのテーマソングが変わってね?

長野バイパスで一気に東に抜けるのも考えたりはしたが…まだ充分に時間的余裕があるので善光寺にお参りを。

その後少々道を間違え、3輪以上は一方通行(2輪はOK)の坂道を登ってみると何やら見た事のある光景が…おぉ!ここはかつて泊まった事のある「1166バックパッカーズ」の前ではあ~りませんかっ!

これは奇跡です…奇跡なのですっ!

あまりの偶然に感動したので…能登でたまたま買ったワインの残りもう1本と、これまた偶然にも輪島のスーパーで見つけた貴重な焼酎を持ってラウンジへ。今回は明らかに客ではないので少々恐縮しつつもコーヒー&実は酷道好きらしい御主人の経営されている古本屋の「Book&Cafeひふみよ」さんから頂いたというケーキまで頂いてしまいました。

実は?このブログ…実際に行動していた日時を投稿日にしている関係で書いている日時はずれてしまっている事もあり、後から知った事をここに書いてしまうと時間軸が滅茶苦茶になるんですが…。ま、おめでたい話なら少々ゴッチャになってもいいでしょう(笑)

ひふみよの御主人&茨大出身の女将さん、ご結婚おめでとうございます!末永くお幸せに!

ボロバイクの方はセルモーターを交換した事も有り、エンジン再始動も難なくクリアし絶好調!さて…そろそろどのルートで帰るのか決断せねばならない訳だが…山の方を見てみるととりあえず早めに抜けてしまえば何とかなりそうな雰囲気。行っちまうかぁ!?この時期鉄板の志賀草津道路へっ!いやぁこの季節、バイクだったらやっぱりこの道走るのが最高だろ?そんな訳でそのうち昼の時間帯にやって来てみたい小布施を華麗にスルーしまして…

~約1時間半後…志賀草津道路の荒天時の泣き所「渋峠」を通過中~

道路脇の気温表示は…何と「2度」…(涙)

なんじゃこりゃぁ~~~っ!!!(自己責任…)

普段なら何度来た場所であっても必ず停まって写真の一枚でも撮る国道最高地点の標高2172m地点も今回は無視。とにかく下界に降りないと「心が折れます」…横風は凄いし雨は強いし…もう嫌になっちゃうよ…

石原良純っ!…頼む…助けてくれ…(涙)

程良く雨水が染み込んできたボロジャケットを着て震えつつ(さすがにそろそろ買い換え時だなぁ…)脇目もふらずに草津温泉まで降りてきた。しかも暖かな下界は雨が降っていないというありがちなオチまでも(笑)

「草津温泉 駐輪場と湯畑」一時は客足の減った気がする草津温泉街も、連休最終日という事も手伝って家族連れで大賑わい。「次回来た時には違う共同浴場へ…」などと思っていた気もするが、正直それどころでは無いので駐輪場の目の前にある無料の共同浴場・白旗乃湯へ。

「草津温泉 白旗乃湯」

~そんなこんなで入浴中~

むは~っ!生き返ったぞ~っ!それにしても行きも帰りも雨だらけで嫌いになりそうな群馬県だったが…この白旗乃湯に免じて許してやろう…

無料の温泉で復活したので国道145号で東進を再開するのだが…またしても土砂降りの雨&おまけにすり抜け困難な渋滞までも発生。これは多分…関越道の渋川伊香保ICまで続くんだろうなぁ…

そんな訳で、少々遠回りになるが高崎方面へ迂回すると…渋滞解消&晴れ間まで見えて来やがった!

待ってたよっ…この展開を!

この後は晴天の高崎&前橋を抜け、これに乗ったらあとは前に進むだけで水戸まで辿り着ける国道50号に乗ったので今回のGWのツーリングの〆に良さそうな昼飯を考える。未だ未食の桐生の「ひもかわうどん」は確か昼の営業時間が短かったので無理そうだ…太田のやたらと腰の強いうどん屋か太田焼きそばってのもいいが…そう言えば群馬名物「おっきりこみ」を食べた事がまだ無かったな。そんな事を考えながら走っていたら、伊勢崎市でおあつらえ向きなお店を発見。伊勢崎市?何だか聞いた事のある地名だな(笑)

【群馬県伊勢崎市】 上州  田舎屋 看板【群馬県伊勢崎市】 上州  田舎屋 店構え
【群馬県伊勢崎市】 上州  田舎屋 「おっきりこみ」

街道沿いの地元料理のお店「上州 田舎屋」で「おっきりこみ」を注文です。少々待ってやって来た鍋の見た感じは、山梨の「ほうとう」に近い物がありますな。一応麺類という事なので…

スープから頂きますっ!(爆)

ふむふむ…味噌ベースの醤油系の素朴な味わいですな。俺、こう言う素朴な味付けは好きですよ。お次は麺?に行きますと…なるほどっ!ほうとうよりも「すいとん」の更に軟らかいバージョンてな感じですかね。それにしても小麦王国のこの手の料理は飾りっ気が無いのに加えて量が多いので嬉しくなりますね(喜)

ほうとうの様にカボチャが存在を主張していないのではありますが…白菜やら人参、キノコにシメジ等々、群馬っぽい食材が沢山一緒に煮込まれていて旨いです。これは気に入った!

お値段一人前なのに1.5人前程あるのでのんびりと食べていたら…急にお店の外で突風が吹き始めた。バイクのハンドルの上にヘルメットを固定せずに置いてあるのでちと心配になって外を眺めていると…

げっ!あんな風を横からまともに喰らったら…転倒間違いないぜ…(涙)

幸いヘルメットは飛ばなそうなので、しばらく食べながら眺めていると…どうやら追い風方向でしか風は吹いていない模様。これなら行けそうだと走り出したら…やっぱり凄い風ですなこりゃ。

国道50号をさらに東へ進みまして…ようやく栃木県入り。ただ…佐野方面から小山方面、さらにその先の茨城方面の天気は無茶苦茶っぽいなぁ…(ようやく冒頭の写真です)。

暫くマクドナルドで雨雲が遠ざかるのを待った後、完全にこの雨雲をやり過ごす事は出来なさそうなので…最終的には桜川筑西ICから北関東道へ乗って小ワープ。

高速では何とか保った空模様ではあるが、アパートまであと10分程の所で降り始めやがった。。。ありがちな展開にヘルメットの中で少々恨み節。でも…キャンプの荷物を家に運び込んでいたら…何と二重虹がお出迎え。

「大甕のアパートから見えた二重虹」岩手でボロバイクが動かなくなった時は正直ちと焦ったが…ま、結果オーライと言う事で。

2012_05_06_ルート今日のGPSログはこちら。とりあえず無事帰って来られた事に感謝だな。この後、まとめの何かを書くような書かないような微妙な気分なので…結論だけはここで書いておきます。

いいGWだった!