やっぱりGWは東北へっ! ~南相馬・石巻・コバルトライン・御番所山で若者と…編~

「茂庭広瀬公園キャンプ場」茂庭広瀬公園キャンプ場で迎えた朝は…待望の五月晴っ!(喜)

爽やかな朝日の下、歯を磨いたり顔を洗ったあと、昨日の夜に到着した時にはすでに寝ておられた静岡から来られた白髪のバイク乗りの方と暫し話をしまして、お互いの安全を願いつつ…俺が先に出発です。それにしても初老の方がSS(スーパースポーツ)に乗っていて、少しは若い俺の方が殿様ポジションと呼ばれることもある乗りやすいネイキッドに乗っているってのは最近多い光景だよな(笑)

今日の最初の目的地は、日立さくらまつりに馬10頭を伴ってやって来てくれた相馬野馬追の会場のある南相馬市。茂庭から国道399号を南東方向に進みまして、伊達市~飯舘村の快走路県道12号を駆け抜けて南相馬市へ。

「南相馬市 相馬野馬追祭場」実は南相馬市へまともにやって来たのはこれが初めてなんだが、結構大きな街なんだな。写真は相馬野馬追のハイライトの一つでもある甲冑競馬が行われる相馬野馬追祭場。一周1キロ程の文字通り競馬場のような会場ではあるが、神旗争奪戦に勝利した者だけが馬を駆って駆け上る坂があったりするのが純粋な競馬場とはちと違う。7月かぁ…是非この目でその姿を見てみたいものだ。

【福島県南相馬市】 道の駅みなみそうま 「ミックスソフトクリーム」この後は「道の駅 みなみそうま」でツーリングマップルを眺めながらちと休憩。天気が良く暖かかったのでソフトクリームを頼んだら…どうやらお店の方、久々に作ったらしく「あぁぁぁぁ…」等と文字通り「あたふた」しながら出来上がったのがこちら。

「…大きくなってしまってスミマセン…」との事。

まぁ大きくなる分には文句も何もありませんのでお気になさらずに(笑)ちと大きめのソフトクリームを舐めながら行き先を考えます。まぁ…海岸線を北上するしかないだろうな。

「福島県新地町の沿岸部」

南相馬市から相馬市へ、そして新地町の海岸線には住宅の基礎部分だけが残った荒涼たる光景が今日も広がっている。ここに住んでいた方々が、かつての我が家の建っていた場所に幾人も訪れていた情景が心に残る。

この後も北上を続けまして…仙台空港の横を抜け、観光地としての賑わいと共に渋滞も復活した松島を何とかすり抜けでやり過ごして石巻市街へ。去年の秋頃、ゲストハウス梅鉢で出会ったバイク乗りK氏と一緒に来た時には信号機の全く機能していなかった市街地中心部にも新しい信号機が設置されていて、街自体は平穏を取り戻しつつあるように思う。海沿いの日和大橋近くにうず高く積まれていた瓦礫の山も低くなっている。

「石ノ森萬画館」

石巻の旧北上川中州に位置する石ノ森萬画館は今も臨時休館中だが、再開目指して準備中。そう言えば、被災地の空にはどこも色鮮やかな鯉のぼりが泳いでいたのが印象的。去年のGWの頃の「色」が全く消えてしまった街とは違うよな。賑やかさこそないけれど…そこに生きる方々の確かな歩みが垣間見えてくる。

そろそろ夕刻となってきたので、今夜の寝床を考えつつ進まねば。ツーリングマップルを眺めながらちと検討。そうだなぁ…石巻と女川の間に突き出た牡鹿半島のどこかにいい場所がありそうな気がするな。この先のイオン(旧ジャスコ)で晩飯の材料を買って行ってみますかね。

~イオン石巻東店でお買い物~

本来であれば牡鹿半島の突端まで行けるコバルトラインは、残念ながら震災の影響で1/3程しか走る事が出来ない&道路の状況が非常に悪いままなのでバイクの方は暗くなってから走るのは止めておいた方が良さそうだ。ただ、牡鹿半島の沿岸部を突端まで繋ぐ県道2号線は修繕されているので、牡鹿半島の先っぽまで行く事自体は出来た。軽くゲリラキャンプの場所を探してみると…御番所山にある御番所公園に素晴らしい空間を発見!今夜はここに決まりでしょう!ってな訳で…ゲリラキャンプ開始。

「御番所山にて晩飯」屋根付き&風除け付きの空間にテントを立てて晩酌&晩飯開始。今晩は宮城県に乾杯だっ!

~それではしばしご歓談…では無く、一人で晩酌タイム開始~

明日はどう廻るかなぁ…とツーリングマップルを眺めながら酒を飲んでいたところ…夜の10時を廻ったところで近くにバイクのエンジン音が。あらら…お巡りさんとかじゃないよねぇ?面倒な事になって欲しくないんだが。。。と思っていたらテントの外から声を掛けられた。

「あの、隣にテント張ってもいいですか?」

まさかまさかの「お仲間」キターーっ!(喜)

何とこんな時間のこんな場所に、キャンプツーリングなバイク仲間がやって来たのであった(爆)テントを張ろうとされているので、自前のランタンをテントの外に出してちとアシスト。でもこの方、何となく格好が変わっている。何でバイクでユニクロのダウンジャケットみたいなの着てるんだ?

お互いに思いがけないお客さん?なので、ほぼ360度を海に囲まれた高台で自然に話が始まった。まずは互いの出発地点の話から。俺は水戸(日立と言うよりは通りが良いので旅先ではこう言うことにしている)からだと言うと、何とこの方、栃木県から来た大学生さんだそうな。

えっ?栃木県?場所は?ほうほう…栃木市ですか。俺は茨城県日立市からだよ。GWはどういう風に走る予定なの?

明日の朝には授業の関係で栃木に帰らないといけないだって!?(驚)

どうやら農学部の学生さんらしく、カレンダーでは平日の5/1&5/2に授業がある関係で明日帰らなければならないらしい。しかも出発したのは今朝だそうだ。

何っ!バイクの免許取って1ヶ月で高速が怖いから栃木から全部下道で来ただと?(爆)

何だか笑っちまう若者だが、俺の若い頃もそんな感じだったな(笑)なるほど、だったらユニクロのダウンジャケット姿なのも頷ける。

夜霧の出てきた冷える夜という事も有り、互いのテントに潜り込んでテント越しに会話再開。ツーリングでは何を持っていた方が良いのかとか、行ってみて良かった場所は何処かとか…とにかく色々聞かれた夜となったのであった。

いやぁ…実に楽しいっ!

彼と話をしていて感じたことがある。キャンプツーリングと言えば聞こえは良いが…俺達のやっていることは要するに「野宿」なのである。何でこうなったかというと…金は無いけど行きたいところには行ってみたいという単純な動機。俺も最初は原チャリで、寝袋と銀マットを持ってバス停やら地下道やらで寝ていたよ。物価の安い海外に行って…なんて発想は当時無かった(飛行機に乗るまとまった金なんてそもそもある訳がない)ので、もちろん我が国日本でやる訳だ。

色々な旅の形があってしかるべきだとは思うが…バイクで野宿が出来ると旅の選択肢が格段に広がるのも確か。行けない場所というのは国内に関して言えば人が住んでいる場所であれば殆ど無くなるし、何かと混んでいるGWであったとしても宿の予約やら何やらで行き先が縛られることもほぼ無くなる。行きたいところに文字通り向かって行って、その場で自力で何とかすればいいだけの話だ。

この若者はきっと、仮に将来金持ちになっても野宿するんじゃないかな?この感覚は一度味わうとやめられなくなるんだよね。

もちろん「野宿の魅力」を味わうこと無く過ごす方のほうが圧倒的に多い&俺みたいな奴が野宿の素晴らしさををこのブログで一生懸命説いて薦めてみても実際に野宿を始める奴はまず居ないので、全国各地の宿泊施設の方々に経済的な迷惑を掛けることは無いだろうけど(笑)

それにしてもいい夜になった。有り難う若者よ。

若者よ、事故にだけは気をつけて…お互い走りまくろうぜっ!

2012_04_29_ルート今日のGPSログはこちら。沿岸部の光景はやはり辛いものがあったりしたが、確かな一歩を実感出来たのも確かだな。