我行くは「ライダーハウス風来坊」(後編) ~猪苗代・山の駅食堂編~

「どんよりとした雲の立ち込める猪苗代からの磐梯山」

かわうちの湯を堪能したあとは国道288号を西に向かって突っ走りまして、田村市を抜け…郡山から国道49号に乗り換えて猪苗代入り。幸いな事に郡山を過ぎた辺りから雨は降っていなかったんだが、冒頭の写真のように低い雲が立ち込める猪苗代なのでありました。前に見えてる磐梯山も雲で隠れちゃってるね。

いつもならこのまま会津若松へ向かう訳だが、今回は国道115号&国道459号経由で裏磐梯入り。夕方の日差しが僅かに残るうちに本日の目的地「ライダーハウス風来坊」の場所を確認。何やら沢山の自動車と一台のハーレーらしきバイクが宿の前の駐車場に駐まってる。このバイクの方はライダーハウスに泊まる方なんだろうか?などと思いつつ晩飯へ。が…自分の犯した過ちにようやく気が付く事となる。

げっ…思いっ切りリゾート地のど真ん中だから、食堂的なものが見当たらないよ…(涙)

カッパを着た水も滴るいいおっさんが慣れないイタリア料理のお店に一人で入るなんてのは悪夢以外の何物でも無い訳でして…何処か丁度いい店は無いもんだろうかと来た道を戻っていると…山の駅食堂なるお土産物屋さん兼食堂らしきお店を発見!今夜はここで何か頂きますかね。

【福島県猪苗代町】 山の駅食堂 「トマトラーメン&餃子」【福島県猪苗代町】 山の駅食堂 店構え

会津名物のソースかつ丼も気になったんだが、それ以上に気になった「トマトラーメン」に餃子を注文。そして注文の品が出来上がるまで、お店のおじさんにあれこれ質問攻めにされるのでありました(笑)何やら400ccのバイクを最近知人から買ったらしく、ヘルメットに125ccがどうのこうのとあったりするが、それを被ってたら取り締まりの対象になるのか?とか、バイクは高速は幾らなんだ?とか、兄ちゃんのバイクは何cc?とか…やっぱ雨は嫌いか?等々…

あのなぁ…雨が好きな訳ねぇだろっ!(爆)

そんな会話をしていると、注文の一杯がやってきた。トマトラーメンねぇ…ビジュアル的にはもはやラーメンでは無い気もするが…一応スープから頂きま~すっ!

…ん?この味は…(すかさず麺もズルズル…)…旨いぞこれっ!(喜)

スープは完全にパスタのトマトソースでして、上にチーズも載っていたりするからすでにラーメンでは無い様な気もするが…麺は中細の縮れ麺という事できっちりラーメンだったりする。味付け玉子もしっかりしてる&トマトソースに合うのと、チャーシューも取り敢えず載せときました的な一品では無い旨さ。立地的に大したことないだろうとネタに走ったつもりだったが旨さにやられる俺なのであった。大ぶりな餃子も栃木県の小山方面で食べられるモッチリ系の一品でして、こちらもいい意味で完全に事前の予想を裏切られた!

これ喰いに裏磐梯に来るのは有りだと思うよ!麺好きな皆様方っ!

満足な一杯を食べ終わった頃には大雨が降ってきた。そしてさっきのおじさんが一言。「やっぱ雨は嫌いか?」

…だから雨が好きな訳ねぇっつうの!(爆)

こんな感じに楽しいやり取りを織り交ぜつつご馳走様。いやぁ…イタリア料理の店とかで「トマトソースに地中海の風を添えて」とかいう訳の分からない食い物を食わずに済んで助かったよ(あくまでも料理の名前は俺の勝手な想像)。こりゃ再訪決定です。ご馳走様でした!

飯のあとはいよいよライダーハウス風来坊へ。こちらのライダーハウスはペンション?に併設されているので、お代を払いに賑やかな声のする一階の食堂へ行ってみますと…

今日のペンションのお客さん達&新潟から来たというバイク乗りのお仲間がっ!この食堂で飲んでもいいそうなので、カッパやら荷物をライダーハウスにぶち込んで…ジーパンに履き替えたりなんかしまして当然俺も合流なのです(笑)

「ライダーハウス風来坊にて新潟からの若者と」こんな感じに新潟からやって来た若いバイク乗りの方と一緒に旨い生ビールやら焼酎やらを頂いたのでありました。それから何とこの方「平成元年生まれ」だそうな…

ちなみに写真の解説をしておきますと…右が俺で左が平成生まれの若者です…(大嘘)

一緒の食堂では岡本哲也さん率いるフライフィッシングスクールの参加者の皆様方(10名程)が、明日のスクールを前に釣りのポイントの考え方などを熱く語りつつ飲んでまして…

…最終的にはただの酔っ払いの釣りバカ集団状態に…(笑)

いやぁ…バイク乗りも釣り好きも、酒飲んだ時のノリって結構似てるんだよね。「俺はこんなに凄いんだぞっ!」ってな自慢話を披露する奴は殆どいなくって…大概は「俺…こんな恥ずかしい事やっちゃいました!」をとにかく自慢したがるんだよなぁ(笑)

フライフィッシングスクールの皆さんと一緒にゲラゲラ笑いながら、楽しい夜のひとときを過ごしたのでありました。そうそう、この笑いの渦に強烈なスパイスを加えていた「おやど風来坊」の女将さんの名古屋人気質も一見の価値ありですヨ(笑)

「ライダーハウス風来坊 ワカサギ釣り小屋を春~秋の間はライダーハウスに」程良く飲んだあと、俺と若者は同じ敷地内にあるライダーハウスへ移動。冬の間ワカサギ釣り用に使っている釣り小屋をライダーハウスとして活用し始めたそうでして、外は土砂降りでしたが室内は快適そのもの。

この後は平日は仕事でとある島に渡っているというバイク乗りの若者と二人で色々お話タイム。バイクの話やら写真の話やら…果ては地震の話に気象の話で、結局3時間近く語り合ったのでありました。

いやぁ…天候の関係で誰も居ないんでは?と覚悟していたからこの展開は嬉しいよ!

2012_07_07_ルートこちらは本日のGPSログ。ほんとに素晴らしい場所でライダーハウスを始めて下さった事に感謝。明日は晴れるといいなぁ…

我行くは「ライダーハウス風来坊」(前編) ~いわき石炭化石館・かわうちの湯編~

「いわき市石炭・化石館 恐竜の化石」

今週末は曇りなんではないかと思って、最近裏磐梯にオープンしたらしい「ライダーハウス風来坊」に予約を入れたのが確か水曜日。場所の良さ&名前の響きの良さ(昔のブログを読んで頂くと分かるかと思うが、俺はキャンプで無い時は会津若松の快活クラブに泊まる事が結構多い。)と一泊500円という北海道のライダーハウス風味なお値段に俄然興味が湧いての予約だったのだが…

今日…大雨っぽいよね?(涙)

読みの甘さを少々後悔しつつ…雨の国道6号をひたすら北上。昨日の夜に天気予報を見ながら屋根付きの博物館巡りを思いついたので、手始めにこちら「いわき石炭・化石館」にやってきたのでありました。いわき湯本駅の近くにあって、電車通勤中に気になっていた施設だったりするんだよね。

入館してみると大きな恐竜の化石達がお出迎え。地方都市の博物館とは思えない充実っぷりではないですかっ!全ての恐竜の化石がいわきで発見された化石では無いみたいんですが…そんな事はどうでも良くなる恐竜の化石の数々です。

「いわきは熱帯だったらしい」こちらはいわきで発掘されたゾウの化石。どうやらその昔、いわきは熱帯だったらしい。近くにスパリゾートハワイアンズが出来たのも、もしや歴史の必然なのか?なんて思ってみたりして。

そう言えばスパリゾートハワイアンズの入場券(職場の加入している福利厚生関連の割引があって何と一枚1000円なのです)を3枚買ったんだが…誰か俺と一緒にトロピカルな気分に浸ってみないか?

性別は問わないが…もちろん女性であってくれた方が嬉しいなぁ…(夢)

金の掛からない妄想は程々に…かつていわきのもう一つの顔であった「石炭」関連の展示ゾーンへGo!

「いわき市石炭・化石館 石炭の採掘現場にも温泉」完全に手作業で石炭の採掘を行っていた時代から、年代を追って進歩してゆく石炭の採掘の様子を知る事の出来る展示が数多くあります。我々の住む日本、石油は無いけど石炭は未だ全国各地の地下に大量に眠っているそうな。経済合理性的な意味合いで採掘を再開するのは当面難しそうだけれども、石油燃料が枯渇した世紀末的な世界がやってきたら掘るんだろうなぁ…などと思ってみたり。

それからいわきの炭鉱ってのは近くに温泉がある関係で、石炭採掘の作業環境的には劣悪な場所も多かったそうだ。炭鉱の中で温泉に浸かれる…なんていう生易しいものでは無く、湿度100%&温度30度超えという環境で作業していた方々は、20分に一回水風呂で体を冷やしながらの作業だったとの事…ぎょえっ!

これは…真夏のツーリングごときで「ひぃひぃ」言ってる場合では無いなぁ…(汗)

「ガス検出器」炭鉱というのは可燃性ガスとの闘いの場でもある。我々が日頃使っている「ガス」と名の付くものは皆匂いがある訳なんだが、あれは人為的に匂いを付けているから匂うのであって基本無臭だったりするから厄介だ。現代版のカナリアと言うべきガス検出器がこちら。結構古いような気がするんだが、心臓部のセンサーは何を使っていたんだろう?興味あるな。

こんな感じに「いわき石炭・化石館」を堪能した後は、いわき駅前から国道399号に乗って更に北上。

徐々に人々の記憶の中から消え去り始めている頃だと思うが…福島第一原子力発電所の事故に伴い国道6号線とJR常磐線は今もなお南北に分断されている。西側の立入禁止区域をかすめるように南北に貫いているのがこの国道399号。ただでさえ交通量の少ない国道に、対向車の姿はほとんど無い。

「荒れ果ててしまっている川内村の田畑」だがしかし…途中にある川内村にも少しずつ着実に人々の生活が戻ってきているのも確かである。この時期、本来青々とした稲が広がっているはずの田んぼは荒れ果ててしまっているのではあるが…

ツーリングマップル東北2012にも(休業中)と書かれていた「かわうちの湯」。雨に濡れっぱなしでげんなりしていた関係もあり全く期待していなかったんだが…視界に入った時に灯りが付いていたような気が。そんな訳で川内村役場の裏手に行ってみますと…

「暫定的に営業を再開したかわうちの湯」おおっ!「かわうちの湯」が営業再開しているではあ~りませんかっ!(喜)

空いている場所にバイクを停めようとしたら、スーツ姿&耳にイヤフォン&屈強そうな体つきの見た感じSPチックな方に声を掛けられる。

「お風呂に行かれるんですか?でしたらお風呂の前に停めてしまって大丈夫だと思いますよっ!どちらからお越しで?えっ!?茨城県の日立市から?それはそれはようこそこんな日に…。ゆっくりお風呂を楽しんでいって下さいね!」

…何だかんだで体よく駐車場の真ん中から追い返される俺なのであった…(謎)

まぁどっかのお偉いさんが来るんだろうと言う事で、大した興味を抱く事無くいざ風呂へ!

村民・村民以外の分け隔て無い200円の入湯料を支払いまして入館。受付の方に「いつ営業再開されたんですか?」と聞いてみた所…8月末までは暫定的な営業再開で、9月以降は建物の修理を行い、正式なグランドオープンは来年3月頃を予定しているとの事でした。暫定オープンの為3Fの食堂は閉鎖中&休業日も不定期な可能性がありますので、向かわれる方は事前情報を各自御確認下さい。ちなみに今月7月は日曜日が休業日との事でした。

雨に濡れた体をヌメヌメとしたいいお湯で暖めて、湯上がりのビール…ではなくコーヒー牛乳を片手に休憩室に行ってみたら、何やら窓に皆さん張り付いている。はて?誰か有名人でも来ているのかな?と思って窓際に俺も行ってみるのでありました。「どなたか来ているんですか?」と地元の方に聞いてみた所…「隣の土産物屋に野田総理が来てるっぺ。」と言われた。

「視察に訪れた野田首相」~確かに黒塗りの車が出ていったのでありました~

ま…そんな事よりもコーヒー牛乳でしょう!(爆)

風呂上がりのコーヒー牛乳を堪能した後は総理大臣の残り香を嗅ぎ?に「かわうちの湯」と同じ敷地内にある「あれ・これ市場」へ。

てっきり土産物屋なんだろうと思っていたんだが…今は臨時の地元の食材の食品放射能測定所になってました。(これ書く時に最初は放射線測定所と書こうと思ったんですが、測定器メーカーの記述通り放射能測定所と記載させて頂きました。体内に入る可能性があるものを測定すると言う意味では確かに放射能と記述すべきなのかもしれません。)

そんな訳で土産物を買おうと思っていた俺の目の前にはアロカの測定器(しかも結構でかい。空間放射線を遮断する為に、分厚い鉛で外側は出来ているみたいだ。)が二台と測定結果をプリントアウトするプリンターが並んでいまして、呆気にとられていたら測定係?の地元の方(お姉様3名&おじさま1名)の休憩に招かれまして…お茶とキュウリの浅漬けを頂いたりしながら色々とお話を伺ったのでありました。

土産物屋「あれ・これ市場」の営業再開の時期はまだ未定だそうですが…「再開した時にまた来てね!」というお言葉にはもちろん「はい!また来ます!」と返す俺。気分良くこの場を立ち去った…と言いたい所ではあるが…茶目っ気たっぷりなお姉様から掛けられた別れの言葉は…

「お兄ちゃ~ん!SPに捕まらないでねっ!」(爆)

全く…笑わせないでくれよっ!なんて思いながら「かわうちの湯」をあとにするのでありました。

「全村帰村宣言 かえる かわうち (川内村役場)」こちらは「全村帰村宣言」を早い時期から打ち出した川内村役場。今後も色々と難しい局面はあるかと思いますが、村民の皆さんが故郷にかえる日が来る事を微力ながら応援していきたいと思います。

この日の出来事は一つの記事にまとめられるだろうと思っていたんだが…やたらと長くなっている気がするので…ここで一旦区切ります(汗)

必要悪について

今週末ははるばる東京に「オフコース ファンフェス 2012」に行ってきたりしているのでネタはたんまりあるんだが、ちと思う所があるので書きます。

どうやら大飯原子力発電所の再稼働が今夜行われるらしい。それに伴ってというか、現地でのデモ活動も盛んになっているそうだ。ここ数週間、毎週金曜日に行われていた首相官邸前でのデモ活動の様子がようやくワシントンポストで報道されたという事で溜飲を下げている方も多そうではあるが…。俺は英語が堪能ではないのでちと疑問が無い訳では無い。ワシントンポストで報道されたとは言うものの、内容はどうだったんだ?単に「デモをやりそうもない日本人がデモをやった事に驚いた!」なんてオチではないんだよね?何故か記事の内容に触れた話が出てこないので明日個人的に調べてみようかと思っている。

ま、それはともかくとして…

あなた方は結局の所…「何から何を」守りたいんだ?

良く分からない薄気味悪い原子力発電所は止まっていた方が安心なんだろうが、稼働していようが止まっていようが制御の出来ない状態になった原子力発電所は危険な存在である事に何ら変わりは無い。燃料棒を制御棒で反応を止め、水によって冷却しなければならない状態である事自体は稼働中であれ停止中であれ大した違いはない。もちろん冷却が進んだ状態では危険になるまでの絶対的な時間が稼げるのは事実である。

俺は「フクシマ」という言葉と「原発」という言葉と「東電」という言葉を極力使わないようにしている。理由は簡単。「その言葉を使う事で、今までの自分とはまるで関わりのなかったかのような立場を安易に取りたくはない」からだ。

「フクシマ」の農作物・水産物は今も忌避されている。仮に基準を満たした食材であっても。

「原発」は憎むべき存在だ。仮に基準を満たした発電所であっても。

「東電」の社員がボーナス?

なんだかもう…起きてしまった原子力発電所の事故よりも、その後の我々の対応の方が余程酷くないか?福島のことを「フクシマ」と呼び、「原発」への燃料搬入には反対しても、その発電所から出た放射性廃棄物を他の場所へ持ち出すことには反対せず、廃炉にするには専門知識が必要な「東電」社員にも今後ボーナスなんて出すなってか?

…あまりにも短絡的で…あまりにも目先のことしか考えていないんではなかろうか?と個人的に思う。気持ちは分かるが…賛成出来ない。

我々の暮らすこの国で1000年に一度(周期としては前回は平安時代頃)と言われる震災が起き、一万人を超える人命が過去の経験を完全には生かすことが出来ずに失われ、福島第一原子力発電所は今日の事態を招いている。それは確かなことだ。

だからこそ疑問に思う。一体…「何から何を」守りたいんだ?と。

まさか…「自分」…じゃないんだよね?