千頭駅~奥泉駅の「贅沢な代替輸送バス」

    

朝起きると、昨日とはうって変わっていい天気。宿の温泉で朝風呂を頂き、朝ご飯を頂きました。ご馳走様でした。ちなみに右の写真は昨日・今日と使う「大井川全線フリーきっぷ」。

今日は「南アルプスあぷとライン」に乗りに行くので、まずは路線バスに乗って千頭駅へ。荷物をコインロッカーへ入れまして、駅で今日の分のSLの指定席券を受け取って、千頭駅から奥泉駅までの代替バスへ乗車。と言うのも去年の夏に沿線で土砂崩れが発生し、現在復旧工事中。

それからこの代替バス、何と乗っている客は大型バスに自分一人だけでした。確かに朝乗った寸又峡からの路線バスは途中「奥泉駅」にも立ち寄る訳でして、今朝は20人位が降りて行ったかな?確かにその方が何かと合理的なんですが…おかげさまで運転手さん&付き添いの駅員さんを独り占め出来ました(笑)

付き添いの駅員さんからは、土砂崩れ場所の解説、バスから見える吊り橋の紹介、それからバックで走るSLにさくらのマークを付けて走るのは今日で終わりとの情報を頂いたりと楽しいひとときを過ごしつつ…奥泉駅へ到着で~す。

「寸又峡」と「町営露天風呂」とペンション寸又峡の夕食

大井川鐵道のSLに乗って、はるばるやってきた千頭駅。この先「寸又峡」までは「大井川全線フリーキップ」で路線バスで向かいます。寸又峡へ向かう路線バスは、8割程度の乗車率(着座率?)です。これって「ハイシーズン」の時は一体どうなるんだろうか…?(汗)

そう言えば、大井川鐵道は「脱力系」な魅力に溢れた車内でしたが、この路線バスのアナウンスもかなり「脱力系」な魅力満載です(笑)

大井川沿線…本気で気に入ったよ(笑)

そんなこんなで結構早い時間ではあるが、本日の宿「ペンション寸又峡」へチェックイン。おそらくSLと路線バスの時間を考慮してと思いますが、「チェックイン 14:00~」という嬉しい設定ですな。

 【静岡県榛原郡川根本町】 ペンション寸又峡 店構え

写真は「ペンション寸又峡」。チェックイン手続きで記入した私の住所を気遣ってか「地震の時は大丈夫でしたか?」と宿のマスターらしき方に聞かれたので率直な感想を伝えた後、「ところでお客さんの入りはどうですか?」と聞いてみたところ…マスターが、さっきの俺以上にしゃべり始めた。

通常、寸又峡にやってくるお客さんは「関東圏から70% 中部圏から30%」位らしいのだが、地震の直後から2週間程は、ほぼ全ての予約がキャンセルだったそうだ。その後関東からの客足は完全に途絶えたままで、中部圏からのお客さんがここ数日でようやく現れ始めたとの事。

「関東からも「ついに」お客さんが来てくれた」訳だから…(以下省略)

あれっ?俺は本来「名古屋からの出張でやって来た」訳だから、中部圏からの客として受け止められるべきだと思うんだが…何となく「関東」からの客として扱われている気がするなぁ…(汗)

スミマセン…最後の最後まで、結局言い出せませんでした…(涙)

こちらのペンションに出張関連の「無粋&邪魔」な荷物を置いた後は、「1年前にバイクで来た時」には湯冷めが怖くて回避した「町営露天風呂」へGo!

    【静岡県榛原郡川根本町】 寸又峡町営露天風呂 店構え【静岡県榛原郡川根本町】 寸又峡町営露天風呂 湯船

「美女づくりの湯」と呼ばれている寸又峡の温泉の泉質は、弱アルカリ性という事で肌触り的に「ヌルヌル」な湯です。こんな俺でも「1週間くらい」この湯船に通う事が出来たなら…

「ミッツ・マングローブ」位には美しくなれそうな予感がする…(爆)

【静岡県榛原郡川根本町】 ペンション寸又峡 「夕食」

そしてこちらは今晩の宿の料理。宿泊先でこういうシチュエーションになる事がまず無い為、見た瞬間驚いた。

宿の方の説明によると鍋のメインは鹿肉(左上の大皿)だそうでして、人参・大根・椎茸・コンニャク・豆腐・ネギ・白菜と共に鹿肉を鍋に入れて煮上げて下さいとの事。

稚内から札幌へ戻る特急で衝突した鹿さんの仲間の肉は少々匂いはありますが、肉質自体は結構軟らかめ。それから「山女の甘露煮」は骨まで軟らかくて旨かったです。そう言えばこの味噌味の鍋、最終的に白菜の水分で煮出すという話しは確かにそうでして、鍋の出汁は最初相当少なめですが、出来上がる頃にはヒタヒタの量になります。

そんなこんなで、見た目以上にボリュームたっぷりだった鍋セット、十分に堪能させて頂きました。ご馳走様でしたっ!

「SLかわね路号」で行く 『大井川鐵道の旅』 ~千頭行き編~

雨が降る中、ついに大井川鐵道のSLの始発駅、金谷駅へやってきた。味のある切符売り場で、メールで予約しておいたSLの指定席券と「大井川全線フリーキップ」を購入。「大井川全線フリーキップ」は「大井川本線」全線と「寸又峡への路線バス」と「南アルプスあぷとライン」が2日間乗り放題という今回の旅にぴったりの切符。

普段を知らないので何とも言えないが…行楽シーズンにも関わらず地震の件もあってかSLに乗るお客さんは少ない印象。

冒頭の写真は金谷駅の改札。写真に写っているこちらを向いている駅員さんは車掌さんも兼任しているだけでなく、何とこの後SLの車内で「ハーモニカ奏者」になるのであった。

改札を抜けてまず目に飛び込んできたのは、今回乗る「SLかわね路号」を後ろからサポートする電気機関車「いぶき501」。大みかのアパートのご近所に沢山工場がある日立製作所製だそうでして、作られたのは昭和31年との事。博物館に展示されていそうな古めかしさではあるが…こうやってきちんとメンテされ、雨だろうが何だろうが普通に走っている方が幸せなんではないかな?17万キロを越え今も走り続けている俺のバイクも同じようにきっと幸せなはずだ。

ま…メンテはおろか洗車すらあんまりしてないんだが…(爆)

こちらは今回乗る客車の乗車口。

もちろん実際にやったら「滅茶苦茶」怒られるだろうが…一度でいいからこのデッキの手すりを両手で掴み、トチローの母さんからもらった帽子を被り、腰に「戦士の銃」を引っ提げた状態で星野鉄郎のように「走行中に」叫んでみたい…

「メ~~テル~~~っ!」(爆)

客車内の座席は年季を感じさせるものの、椅子?自体は意外と普通かな。頭上の網棚は文字通り「網棚」。もちろん禁煙ではあるが、窓の下に付いている灰皿が当時のまま残されていたりと雰囲気は十分。

ちなみに金谷駅はホームが短いため、先頭の蒸気機関車はホームからはみ出ている為に見えない為、記念撮影等はホーム上からでは出来ない状況でした。(客車が短いと撮れる場合もあるのかな?)

そして…11:48に金谷駅を定刻通りに出発ですっ!

心に染みる汽笛の後…「ガコン!」という強めの衝撃(多分、後ろから押す電気機関車と完璧な連携なんて出来ないからだと思います。他意はありません。)の後、ゆっくりと列車は走り出しました。

上の写真は走行中に「世界の車窓から」を目指して撮った一枚。俺にはもちろんSLの力強さがこの写真から読み取れるが、一般的には「心の目」で見ないと見えないかもしれないなぁ…(汗)

それからこのSL、一応「急行」と銘打ってはいるものの…全然急いで走ったりはしませんのでご安心を(笑)

のんびり走る列車内では冒頭の写真に登場した車掌さんによる車窓の案内放送やらハーモニカの演奏等々、日常よりもゆったりとした速度で時間が流れていきます…

実を言うと…車掌さんの奏でるハーモニカの1曲目、「線路は続くよどこまでも」を聴いた瞬間に洒落にならない位涙ぐんでしまった…

あっ!今のは「オフレコ」で…(汗)

そして…終着駅の千頭駅にて、今回の主役とようやく御対面。C10形8号機という名前の蒸気機関車です。

昭和5年(1930年)製とのことなので…何と81歳ですか。可動部分はもちろん部品交換や補修を受けていると思いますが、あの汽笛の歌口とかは当時のまんまだったりするのかな?

停まっている時ですら、まるで生きているかのような息遣いを感じられるのがSLの魅力なんでしょうな。これは何度でも乗ってみたくなりますよっ!