…東日本大震災から5年。
被害の多かった沿岸部は、今も元通りの生活が送れるようになったとはとても言い難い状況の地域も数多いのではないかと思います。
結局のところ、震災に対して何かしら自分がやってきた事があるのだろうか?と改めて思い返すと「何にもやっていないなぁ…」というのが正直な今の気持ちです。
多分…今後もなんにも出来ません…
個人的に今までの5年間に対して色々と後悔はありますが…後悔している事の一つは震災直後のGWに、大型ダンプが行き交う国道45号線での事。
土煙で空まで茶色一色に染まっている何も無くなってしまった街の中、ぽつんと佇んでいる路線バスのバス停が。
そのバス停に、近くの住民のどなたかが置いたであろう小さなプランターに咲く小さな花。何もかもが茶色一色に染まってしまった世界に小さいながらも忽然と現れた暖かい色彩。それまで「写真なんて撮りたくねぇよ!」と思っていた俺ではあったが、「これはっ!」と思ってバイクを停めてファインダーを覗いた。
「…右下に花をフレーミングして、左側に大型ダンプの走行シーンを…」とかテクニック的な事を自分が考えだした事に気が付いた瞬間、自分自身が心底嫌になった。結局一枚も撮る事なくその場を離れた俺。その後も写真は一枚も撮らず…
…ただ、今思うに…撮っておくべきだったのではないのかな?と思う
あの絶望的な状況下で小さな花が与えてくれた希望のようなものについての感情は、正直に伝えるべきではなかったのかと…。「そんな小さな事」と笑われるかもしれませんが、未だに後悔しています。
震災で命を落とされた方々の御冥福を心よりお祈り申し上げます