2011東北ツーリング三日目 ~盛岡→アスピーテライン→酸ヶ湯温泉→秋田~

朝起きて外を見てみると、なにやらどんよりしているではないか。店内で流れているTVの天気予報を見ると…どうやら丸1日雨らしい…あぁ…

ま、じっとしているつもりはまったく無いので朝7時に「マース盛岡」を出発。国道4号から国道282号を通って八幡平側から八幡平アスピーテラインへ向かいま~す。ところが…ここでもゲートが閉まっているではないかっ!(涙)

仕方がないのでバイクを道端に停め、今日の予定をどう立て直すかを考えるのだが…ふとした疑問が一つ。ここで待っている自動車達は、いったい何を待っているんだろうか?さっきのゲートをよくよく見てみると「8:30」までが夜間の通行止め時間と言う事か。今の時刻は8:15。なぁんだ、ちょっと待ってりゃいいだけか。

そんな訳でしばらく待っていると、作業着を着たおじさんが、工事現場でよくやる証拠写真みたいなのを撮った後でゲート解放!

ちょっとお行儀が悪かったが、列の先頭に並ばしてもらって調子良く走り出し始めた所までは良かったのだが…あっという間に雨&寒さ&濃霧の三重苦に包まれて、片側交互通行の信号待ちで自動車に追いつかれてからは更に状況が悪化。とにかくバイクのライトでは前がほとんど見えない。。。

もうどうにもならないので何とか停まれそうなところで自動車に先に行ってもらい、半ばやけっぱちで記念撮影を…ツーリングと言うよりは、もはや修行だなこりゃ。

アスピーテラインの秋田県側の端っこにある八幡平ビジターセンターに到着した時にはまたしても足下グシャグシャ状態に。ただ唯一の救いは、今日は標高の低い場所なら何故か寒くないことなんだよな。

この後は国道341号を通って鹿角からは国道103号で大館へ。大館市内では地名の標識に「地名 ハチ公のふるさと」と書かれているんだが、ハチ公って渋谷のハチ公の事なのだろうか?そうこうしていると、市内中心部の案内標識に「秋田犬会館」なる表示が。ちと気になったので行ってみると、結構立派な建物が。

人なつっこい2匹の秋田犬(正式には「あきたいぬ」と読むらしい)が入り口にいて、建物の中は秋田犬の歴史を学べる博物館のようになっているらしいんだが、今回ずぶ濡れ状態なのでさすがに見学できず…(涙)

こちらは「秋田犬会館」の入り口に立つ「望郷のハチ公像」。こちらのハチ公もどこか寂しげだ。

    

この後は国道7号を北上して「道の駅 碇ヶ関」でちと休憩。甘みそを「きりたんぽ」に塗って仕上げた「みそたんぽ」なるものをパクついたあと、「麺どころすぎ作」というラーメンコーナー?に書かれていた「自然薯入り麺」が気になって入店。期間限定の自然薯鶏だんご入り「峠の塩ラーメン(自然薯鶏だんご入り)」なるものが気になって注文です。スープはいわゆる「チャンポン」的な味わいの塩ラーメンなんですが、自然薯入りの麺は確かに独特な食感がありまして、麺に滑らかさを加えたような舌触りとなってました。他のラーメン屋でも試してみて欲しい所だが、長芋ならともかく自然薯は結構値が張る印象があるから難しいかもなぁ。

この後は、これまた客足が減っていると聞いていた弘前へやって来たんだが…バイクを道端に駐める事すらはばかられる程込んでいたので路肩からパチリ。

この後は「世界一長い桜並木」を眺めに岩木山のふもとまで足を伸ばしたんだが…結構標高が高い所にあって、まだ全く咲いておらず…(涙)

14:00近くになったので、そろそろ夜の事を考えつつ移動開始。雨が降ってるから今日も健康ランドか何かでいいかぁ?そうだなぁ…新青森駅の近くに「あおもり健康ランド」ってのがあったよなぁ…このまま雨が止まないようだったらそうすっか。だとすると青森の温泉を楽しんでから青森市内に向かいたい所だが…酸ヶ湯温泉に寄ってから市内に向かえば丁度良さそうだな。そんじゃぁ行きますかっ!「ヒバ千人風呂」のある「酸ヶ湯温泉」へ!

国道102号と国道394号をひたすら東進する事1時間と少々で「酸ヶ湯温泉」へ到着で~す。いやぁ寒かった!

寒い中という事もあって結構なお客さんの数。入り口で入浴券を買って建物の中へ。混み合う脱衣所で何とか革パンを脱ぎまして(湿ってると引っかかっちゃって脱げないんだこれが)軽く体を流したあとはいよいよ「ヒバ千人風呂」へ!いやぁ、何度見てもでかい風呂だなこりゃ!あんまり女性の姿は見掛けませんが一応混浴と言う事もあり、写真を撮る訳にはいかないので雰囲気はこちら「酸ヶ湯温泉ホームページ」をご参照下さい。

この「酸ヶ湯温泉」、建物自体の大きさや味わいに埋もれがちですが、お湯自体も乳白色の綺麗な湯なので是非一度入ってみて頂きたいです。男女別に別れた風呂もあるらしい(入った事が無いので良く分かりません)ですが、是非このやたらとでかい「ヒバ千人風呂」がお薦めです。混浴はちょっと…という女性の方は、午前8時~9時・午後8時~9時は女性専用になってますのでこの時間なら気兼ねなく入れると思います。

風呂上がりに、お茶と「生姜味噌おでん」を頂いたりした後は、国道103号を北上して青森市街方面へ。17時過ぎに「あおもり健康ランド」へ辿り着いたんだが様子がおかしい。。。正面玄関の張り紙を読んでみると…「震災の影響で当面営業を休止致します」とな。ありゃりゃ…こりゃまた予定変更だよ。青森のフェリーターミナルでキャンプするってのも一つの手ではあるんだが、あんまり気が乗らないなぁ。。。

まぁこの天気なので、何となく南下しておいた方がいい気がして何となく走り出したのが運の尽き。国道7号を南下すればする程雨風が強まって、秋田県へ入ってからは土砂降りに。「道の駅 二ツ井」の情報コーナーで見たものは、最大瞬間風速18メートルの文字と積算雨量80mmとの気象情報。これがもし夏場だったら…

世界はそれを「台風」と呼ぶんだぜ (C) サンボマスター

結局緊急避難先として見つけた秋田にある「天然温泉こまち健康ランド」に辿り着いたのが23時ちょい前。唯一の救いは強烈な南風だった関係で、かなりずぶ濡れになった割に寒くは無かった事かな。そうは言ってももう若くないんだからあんまり無理させないで欲しいよなぁ…

ま、そりゃそうと…

「石原良純っ!ふざけんじゃねぇ~っ!」

『2011春 東北ツーリング』  ~~ プロローグ ~~

どう過ごそうか悩んでいた今年のGWではあるが…ギリギリのタイミングでボロバイクの車検を無事に通す事が出来た。そんな事もあり「東北ツーリング」へやっぱり向かいます。

4/29~5/5までの6泊7日と程良い長さの旅の予定でして、初日となる今晩に宮城県白石市在住の知人宅にて酒を飲む事以外、行き先も宿泊先も何にも決まっていないという毎度毎度の適当さではありますが…

ま、「予定」が一つでも決まっているだけで、大人になった証拠かなぁ?(笑)

我らがボロバイクの出発直前の距離計は17万3330キロ。この数字が最終的にどうなっているにしても、この場所へ戻ってくるまでは壊れずに走って欲しいものである…それでは行ってきま~すっ!

まさかの結末…山形ツーリング顛末記

小名浜で満腹な朝食を頂いた後は内陸方面に移動開始。天気もいいし国道49号は空いてるみたいだし、帰省ラッシュに巻き込まれるのも何なのでこのまま下道経由で山形まで行ってみますかね。

若干渋滞気味な郡山をすり抜けでやり過ごし、ちょうど12時頃に辿り着いた猪苗代湖畔近くのセブンイレブンで小休止。熱中症対策と称して冷たい物を補給しま~す。品薄気味な事がニュースになっていた「ガリガリ君」を食べ、ポカリの500mlを一気飲みし、生まれて初めて「凍結ボトル」なる500mlの冷凍ドリンク(C1000タケダ)を買って、愛用のTANAXのシートバッグのドリンクホルダーへポン。はて、このクソ暑い日中に屋外に出しておく事で、どれ位で飲み頃になるんでしょう。

そんなこんなで冷たい物を補給した後は、颯爽と出発と行きたい所なんだが…セルを廻すと妙に弱々しい。。。

「またバッテリー液減ってんだろ…まったくボロバイクめっ。。。」(悪)

夏場は空冷エンジンの後ろにバッテリーが位置している事もあって、長距離を一気に走ると減りが早いんだよなぁ…次の休憩で調子が悪かったら補給だな…等と考えつつ先へ先へ。会津若松からは毎度毎度の国道121号へ乗り換えて北上し、時間的に暑いピークの午後1時過ぎに道の駅「喜多の郷」へピットイン。先週浅草でまさかの「ラーメンバーガー」を頂いたので、今回はトイレだけの利用です。

シートバッグから冷凍ドリンクを取り出すと…おぉ!冷たいですなっ!キャップを開けて飲みますと…いやぁ!こりゃ冷たくて旨いなぁ!冷凍ドリンクなら氷の部分が残るからツーリング中の水分補給には便利かも…と思ったりしたんですが…

あれっ!?…全部飲めちゃったんだけど…(爆)

溶け具合のコントロールは難しいだろうから、飲み物はその場その場で普通のを買うのが現実的なのかもしれないな。それからあまりの暑さにフルメッシュジャケットで風を受けても全く涼しくない状態なので、ジャケットをトイレの水道でビシャビシャにして着込みまして…「水も滴るアホなライダー」となってさらに北上開始。

午後2時過ぎに上杉一族と米沢牛で有名な米沢へ辿り着いたんだが、かつて青春18切符で来た事がある&ここまで来たら山形で「冷やしラーメン」を食べてみたい事もあって、街中にある「冷やしラーメン」&「米沢牛」ののぼりは見なかった事にして国道13号で更に北上。

山形駅東口の見覚えのある飲み屋街を横目に眺めつつ、(そうそう!この近くの安宿に青春18切符旅行で泊まったんだよな。)山形駅東口交通センターと言う名の駐車場のそばで小休止。休憩を兼ねて、近くの自販機で飲み物を買って飲んだり、超らーめんナビで近隣のラーメン屋情報を検索するも何やら今イチ…

んん?何だかよく分からないから、ちと市内を流してみっか?となりまして…ヘルメットかぶってグローブして、セルボタンを押しますと…

「ギュル…」(沈黙)

あぁこれだよ…何で「これから」って時にこうなるんだよっ!このボロバイクめっ!(怒)

暑さ&一気乗りでバッテリー液が減っている事は明白なので、リアのシートバッグを下ろし、リアシートを外し、バッテリーの留め金を外して「バッテリー補充液」を右手にバッテリーと対峙すると…ん?…あれれっ…

「バッテリー液」減ってないんだけど…えっ!これはヤバイだろっ!(涙)

どうやら違う理由で始動出来ないらしい。。。正直やるだけ無駄な予感はするんだが、一応バッテリーにちょびっと蒸留水を足して。。。荷物を載せて…ヘルメットをかぶって…これで始動出来ないと物凄く面倒な事態になりそうな。。。

祈りを込めてスターターのボタンを押すと…

「ギュル…」(沈黙)

くっ…これは駄目かもしれない…もう一回押すと…

「ギュル…ボ…」(沈黙)

…ん?掛かるかもって事か?頼むぜ「ボロバイクちゃん!」

そんな訳で3回目。。。   「ギュル…ボッ…ギュルルル…ブ…ォォン~」  …よっしゃ!掛かったっ!

どうやらエンジン自体に何かが起きた訳では無いようなので一安心。軽くレーシングした後、走りながら考えます。。。原因は?対策は?この後どうする?

…山形と言えば豪雪地帯。この地域にバイク屋はまず無いと思うのでとにかく脱出したい。。。近隣のホームセンターにバッテリーがあるなら買い換えてしまうのも手だが、ジェネレーターが壊れているのなら今後どのみち動けなくなるし、そもそもバイク用のバッテリーの在庫がまともにあるとは思えない。。。

くっ…今回のキャンプは中止だっ!自走出来るうちにお家へ帰ろう(涙)

ガソリンは一回満タンにすれば家まで一気に帰れそうなので、山形県上山市の国道13号沿いのガソリンスタンドで満タン給油。エンジン掛けっぱなしで給油する訳にもいかず、いったん止めたエンジンを祈る気持ちで再始動。やっぱりセルがまともに廻らないものの、5~6回騙し騙し試していると何とか始動。まぁ要するに、エンジン切らずに家まで帰りゃぁいい訳だ。

山形側の蔵王エコーラインの入り口に辿り着いたのが午後4時過ぎ。男の意地で蔵王エコーラインを無理矢理駆け抜け、宮城県の白石市からは、夜に走ると相当寂しい国道349号をひたすら南下して、家に着いたのが午後11時…

エンジンを切れないという縛りの関係から、途中で飯も喰えずに帰ってきた。GPSのログによると…今日は結局15時間程バイクで走り続け、下道だけで720キロを走った事になっている。これじゃぁほとんど「耐久レース」じゃねぇかっ!(爆)

パトラッシュ…さすがに今日は疲れたよ…(涙)

今日のGPSログはこちら

2010_08_07_ルート