梅雨入り前の東北ツーリング後編 ~美しい光景ばかりでは無いけれど~

岩手県野田村 玉川野営場

岩手県野田村の玉川野営場で迎えた朝。朝霧が凄いのでそこいら中ビッショリ濡れてはいるが、昨夜軽く?心配していた雨は降っていない模様。よっしゃ!

今回お世話になった玉川キャンプ場、広い芝生の敷地に釜殿の整った炊事場、そして簡易水洗トイレ完備と申し分無し。これで150円ってのは嬉しいね。

ただまぁ…今回も集金される事無くこの地を後にする訳であるが…(爆)

実は先週の精進湖湖畔のキャンプ場でも、たまたまトイレに行っていた時に集金の方がやって来たようで…金払っていないんだよなぁ…(汗) こう見えても俺、結構儲かって…(以下省略)

顔を洗ってテントを撤収し、地図を眺めながらちと考える。実を言うと、今回岩手県北部に遠路遙々やってきて「あまちゃん」のロケ地巡りってのは後付けサクサクな理由だったりしてまして…ホントの目的は宮古市にある本州最東端に位置する魹ヶ崎灯台攻略だったり。

ただ魹ヶ崎灯台攻略に向かってしまうと片道1時間の時間が確定するので、他を巡る時間的余裕は全く無くなるんだよなぁ。。。それでいいのか?お前さん?

くっ…目標変更!海岸沿いの今の姿を新しい相棒NC700Xに拝ませてやるっ!

そんな訳で決意も新たに南下開始。国道45号を軸に海沿いの県道を進む。

カンパネルラ田野畑駅

風光明媚なリアス式海岸ゆえ、かの震災では甚大な被害を受けた地域を進んでゆく。

そんな中、突如現れた三陸鉄道の「カンパネルラ田野畑駅」。何だか張り詰めていた心がふと緩んだ気がしたよ。鮮やかな桜に包まれた駅舎。近づいてよく見てみると…全国から寄せられた三陸鉄道へ…そして東北へのメッセージが刻み込まれている。なるほど…いい駅だ。

雑草が生えて緑になった被災地

今回海沿いの被災地を走って感じた事がある。それは見た目とっても優しい光景になったと言う事。前回来た時には肌色の大地と住宅の基礎部分の灰色ばかりが広がっていた。今は雑草が生い茂って緑色。…でもこの光景の優しさは、そこに戻れぬ方々の苦難の長さ故。そして戻らぬ方々の多さ故。

浄土ヶ浜 観光船船着き場この後は宮古市の浄土ヶ浜へ。ここも震災と津波により大きな被害を受けた場所。浄土ヶ浜ビジターセンターは未だ立ち入り禁止状態ではあったが、観光船乗り場へ下っていくスロープは完成間際。そして観光船は今日も元気に出航中だ。

そういえばJR東日本のポスター、ちょうどこの船着き場に吉永小百合と観光船のガイドさん達が並んでたんだよな。今日も皆さん元気に船の上だ。

宮古市ラッピングバス 魹ヶ崎灯台そろそろ次の場所へ向かおうと駐車場に戻ってきてみたら、何と路線バスに魹ヶ崎灯台が!本州最東端の地ってのはもっとゴリ押ししてもイイかもね。端っこ好きなバイク乗りが大量に釣れると思うよ(笑)

いやしかし…行き先悩んじゃうよなぁ…(←コイツも端っこ好き)

【岩手県宮古市】 すみよし 「生うに丼」【岩手県宮古市】 すみよし 店構え

ちょうどお昼時に宮古駅前に到着したので、すみよしという食堂で「生うに丼」を堪能。いやぁやっぱり旨いやね!そう言えば前回来た時もここで昼飯を食ったよなぁ(喜)

宮古駅でちと買い物をした後は更に南下開始。一応?魹ヶ崎灯台への入り口の様子を確かめに姉吉地区へ。

岩手県宮古市姉吉地区 大津浪記念碑

こちらは姉吉地区に建つ大津浪記念碑。震災後にたまたま読んだ畑村洋太郎氏の「失敗学のすすめ」でその存在を知り、震災後の盆休みにこれまたたまたま通りがかってその意味を個人的にまじまじと理解する事になった碑でもある。

「大津浪記念碑」

高き住居は児孫の和楽
想へ惨禍の大津浪
此処より下に家を建てるな

この碑は津波の恐ろしさを今日も伝え続けている。この碑の下に家が建つ日は、この地区に限ってやって来ないように思う。

岩手県宮古市姉吉地区 魹ヶ崎灯台入り口大津浪記念碑の下にある姉吉港は当時の滅茶苦茶な状態から見事に復活している。すぐ近くの姉吉キャンプ場もどこがキャンプ場なんだか正直分からずじまいだったが、駐車場に仮設トイレが設置してあって「姉吉キャンプ場仮設トイレ」と書かれていたんでどうやら使えるみたい。ただ水道設備は見あたらなかったので、泊まるなら水を持ってくる必要はありそうだ。

それから魹ヶ崎灯台への入り口部分は何故か放置気味で意外といえば意外。ま、上に登ってしまえばあんまり関係なさそうな雰囲気だからこれでいいのかな。それにしても姉吉キャンプ場が復活したみたいだから今度はここでキャンプ決定だなこりゃ。

陸前高田市 復元中の奇跡の一本松今回は普通の週末なのでとにかく帰らねばならない。そんな訳で宮古市を後にしてガンガン南下して陸前高田市へ。ちょうど「奇跡の一本松」の復元作業を行っている所だった。大津浪記念碑同様、未来へメッセージを届ける存在になってくれるといいと思うな。

陸前高田市 震災瓦礫は綺麗に無くなった個人的にはここにやってくる度にうず高く積み上げられていた震災瓦礫が綺麗さっぱり無くなっていた事が印象的。特に震災後すぐのGWツーリングで見た、積み上げられた無数の松の木の根っこは切なかったもんなぁ…

この後はあまり時間的余裕が無い事もあり、部分的に開通している三陸道をバイパス代わりに利用しながら石巻まで南下。

石ノ森漫画館石ノ森漫画館

こちら石ノ森漫画館も中州に位置していた事も有り甚大な被害を被った訳だが、関係者の方々の努力により無事再開。到着したのが17時過ぎだったので、見学は次回という事で。それから女川のカレーを食いたかったんだが…これまた次回だな。

ブルーインパルスの故郷 東松島写真の最後はこちら。航空自衛隊松島基地近くの国道45号沿いにあるブルーインパルスの実機。ブルーインパルスの所属基地でもある松島基地の被害も大変なものだったが、今年の3月末にようやく戻って来られたというNEWSを目にしたんだよな。

お帰りブルーインパルス!

2013_06_02ルート

こちらは今回のGPSログ。結局いわき中央まではひたすら下道を走った訳だが、南相馬~いわき間が分断されているのがとにかくもどかしい。それから以前は全線通る事の出来た気がする国道399号に途中通行止めの看板が立っていたので更に大回りに…通っちゃ駄目なのかな?

ま、今後とも楽しい場所にばかり連れて行く気はさらさら無いのでそこんとこ宜しくボロバイク…じゃなくってNC700Xちゃん。

そう言えばまだ名前付けてないんだよなぁ。ちなみにCB750は…

「Judy」ちゃんという名前だったんだよね(笑)

梅雨入り前の東北ツーリング前編 ~蕪島とあまちゃん聖地巡り~

岩木山SAにて

九州・四国、東海地方に続き関東地方も梅雨入りしたとのNEWSを耳にした俺はちと悩んだのであった。そもそも今週末は福島市内で行われる六魂祭に行こうと思っていたんだが…国道4号線を封鎖するという気合いの入った催しなので真面目にやらないと福島市内に辿り着けない予感が。。。

ブルーインパルスも来るらしい…行きたい…(正直な気持ち)

ちとあれこれ天秤にかけた結果、俺は俺なりにNC700Xと一緒に東北と向き合う事にした。実はこの時点でおおよそのルートが頭の中で完成したけれど…

もちろん今は内緒です(笑)

ま、関東地方は梅雨入りしたみたいなんだが東北は未だという事で進路は当然「北」。常磐道・磐越道・東北道をガンガン駆け抜けて…冒頭の写真は岩手県の岩手山SA。この先東北道を行くにしても八戸道を行くにしても、最後のガソリンスタンドがあるSAなので見覚えのある方は多いかもしれないな。それにしてもいい天気だよっ!

蕪島入り口そんなこんなで普通の週末に普通来るか?的な距離感の青森県八戸ICにワープ完了。まず向かった先は蕪島。以前来た時はいたって平和だったが…今は海猫の繁殖期真っ直中。そんな訳で…

蕪島 海猫だらけの境内境内に海猫多すぎだろっ!(爆)

海猫だらけの蕪島こちらは境内の先の岩場。もの凄い数の海猫が集結中。この島?はきっと、子育てしやすい環境なんだろう。

蕪島 木の根っこと海猫の親子この木の幹の割れ目は一等地っぽいよなぁ。いい場所を選んだね。ここなら確かに安心だ。

種市歴史民族資料館久慈駅前 駅前デパート

海猫に別れを告げた後はNHK朝の連ドラ「あまちゃん」の聖地(ロケ地)巡り開始。手始めに種市歴史民族資料館で「南部もぐり」の歴史を。ふむふむ…初期の南部潜りは何と手押しポンプで海中の潜水士に空気を送っていたそうな…

(‘jj’) ← 「じぇじぇっ!?(一応解説)」

【岩手県久慈市】 道の駅久慈 山海里 「鮭とイクラの親子丼&まめぶ汁」【岩手県久慈市】 道の駅久慈 山海里 店構え

北侍浜キャンプ場が7/1からOpenという事を確かめたりしつつ、遅めの昼飯は道の駅「久慈」にて「鮭とイクラの親子丼&まめぶ汁」などを。ドラマの中では微妙な存在として扱われていた「まめぶ汁」だが…

こりゃ確かに微妙かも…(笑)

 キノコやら芋やら何やらを食べている時は全く違和感無いんだが、小麦粉のモチ?を口にした瞬間に未だかつて無い違和感を感じるのは確か。和風な汁物に入っていた事の無い「黒砂糖」の風味が口の中に広がりつつ、クルミのコリコリ感が突如として現れるのである(笑)不味いんじゃ無くて旨いのは確かだけれどもネ。

三陸らしい風景お口直しに?「いかにも三陸海岸」らしい景色を眺めつつ…急遽決めた今宵の宿泊地へ。

岩手県野田村 玉川野営場久慈市の南側に位置する岩手県野田村の玉川野営場が今宵のお宿。霧雨が降ってきた事もあって東屋の軒下へテントを設営。

岩手県野田村 玉川野営場 東屋に設営こんな感じです…(すでにとっ散らかっている雰囲気が…)

玉川野営場での晩飯 北限の海女(日本酒)と地の物刺身玉川野営場での晩飯 岩手和牛ステーキ

この後は「北限の海女」などというミーハー極まりない酒と共に、スーパーで買った刺身やら岩手牛ステーキやらを堪能したのでありました。何だかんだ言って、焚き火台「笑’s B-6君」が今回も大活躍なのでありました。

実は今回NHK朝の連ドラ「あまちゃん」のロケ地の一番有名な一帯に行ってみたりしたんだけれども…写真の出来的に駄目駄目だったので写真の紹介は無しという事で。ま、毎朝15分とは言え毎日見られるから別にいいやぁね。

今回の朝ドラ、アキちゃんにユイちゃん、その家族と海女さん仲間と鉄道員達のドタバタっぷりが個人的にかなり気に入ってますです。もちろん嘘じゃぁ無い。

そうでなけりゃ、普通の週末にこんな所までわざわざ聖地巡礼に来たりはしないだろうさ(笑)

2013_06_01ルートこちらは今回のGPSログ。編集画面に収まりきらなかった関係でいわき以北のみ。それにしても全くお前って奴は…アキちゃんとユイちゃん、どっちがタイプなんだ?(笑)

秋田ツーリング後半戦 ~冬が来る前に…東北の太平洋沿岸を…編~

「奇跡の一本松」

~陸前高田の奇跡の一本松~

正直言って今日は終日雨だと思っていたので、たらふく飲んでのんびり起きたら…

…雨降ってねぇじゃん!(喜&涙)

秋田のビジネスホテルのネバネバ系朝食そんな訳で急いで荷物を積み込んで走り出したと言いたいところだが…のんびり朝飯を頂いて(秋田の朝食はネバネバ系食材だらけだったな)、お茶を頂きながら…

新聞の地方欄の「能代ロケット実験場特別公開」の報道具合をチェックする俺(あのなぁ…)

地方欄をジロジロと眺めていたら、知らない方がいい情報も沢山あった。「秋田ビアフェス 2012」なる地ビールの催しが昨日大盛況だったらしく…何と今日も行われるらしい。

行きたいけど…今日帰るバイク乗りの俺が行ける訳ねぇよ…あぁ…(涙)

今日の過ごし方としては秋田をのんびり巡って高速使って一気に帰るってのも選択肢の1つとしてあったんだが…この微妙な空模様だと早めに南下してしまった方が良さそうなので秋田道で一路東北道方面へ。

途中、絶対に雨に降られるだろうと思っていた秋田&岩手県境でも雨に降られる事無く、B級グルメの焼きそばで有名な横手市でも晴れ間が広がるという予想外の展開!ほんとに雨が一滴も降っていないのよっ!

この後は水沢ICで東北道と別れを告げ、国道397を時折休憩を挟みながら東へ進んで大船渡の沿岸部まであと少しの地点で…何故か突然「使徒」がやってきた。

「エヴァンゲリオン風味な道路工事標識」道端にエヴァンゲリオン風味な道路工事標識が…。誰だよこれ作った奴っ!(爆)

一気に「現場」まで行ってしまおうかとも思ったが、三陸鉄道南リアス線の北端の駅「盛駅」ってのがちと気になったので立ち寄ります。

「三陸鉄道南リアス線 盛駅」お隣のJR大船渡線も震災の影響で運休中という事もあり閑散としていると思ったら、なにやらお祭り的なイベントが行われていたので結構賑やかだった。

「三陸鉄道南リアス線 盛駅にて」駅に停めてある車両を見学してみたり、フランクフルトを頂いたりなんかして海岸線へ。

「バイク始動不能&立ちゴケした思い出のガソリンスタンド」現場です…俺のバイクはこのガソリンスタンドで始動不能に陥り…立ちゴケしました…(涙)

冗談はさておき、「2011・3・11 津波到達ライン」と屋根に書かれているのが分かるだろうか?信じられるか?ここまで波が来たんだぜ。

「俺的コクリコ坂から」何なんだこの写真はっ!と思われるかもだが、この小料理屋さんの駐車場の坂道で俺のボロバイクは息を吹き返したのであった。俺にとっては思い出の坂。写真左の坂でエンジン掛かったのよ!

「この坂をコクリコ坂と名付けてくれっ&ついでに世界遺産登録を!」(無理)

大船渡も大きな被害を受けた地域ではあるが…幸いな事に高台が多い地形だった事もありバラック形式の店舗が多数営業を再開しているのが印象的。

この後は冒頭の写真、「奇跡の一本松」で有名な陸前高田市へ。かつては広大な瓦礫の街だったこの大平野だが…目立った瓦礫はもう無い。

そして奇跡の一本松以外、今はもう何もないままだ。一軒のガソリンスタンドが復旧した位しか前回との違いが俺には見いだせないのが微妙なところでもある。しかもこれを書いている最中、この奇跡の一本松も保存の為とはいえ一旦伐採されてしまったそうだ。

「陸に押し流された気仙沼の大型漁船」陸前高田を後にして、リアス式海岸を縫うように走る国道45号線をひたすら南下。気仙沼の北の入り口では今も陸に打ち上げられた大型漁船の姿が道沿いに存在する。船と海とを隔てる真新しい道路と電柱と信号機の存在が、ここに住む人々の決意を物語っているように思う。

【宮城県気仙沼市】 復興屋台村 あたみ屋 「ネギらーめん」【宮城県気仙沼市】 復興屋台村 あたみ屋 店構え

気仙沼でかなり遅めの昼飯を。復興屋台村で海鮮丼でも…と思ったら、軒並み仕込み中だったので「あたみ屋」さんでネギらーめんを頂いたのでありました。辛いものを食べるとすぐに汗だくになる俺という事を知ってか知らずかあれこれ心配して下さった女将さん、ご馳走様でした!また来ますよっ!

その後は上下左右にくねくねと進む国道45号線を走りながら…海沿いはもちろん、高台ですら住宅の基礎部分ばかりが広がる光景を目にしながら思う。何でここにわざわざ俺は足を運んでいるのか…と。

見ないで済むなら見ない方が幸せな光景っていうのはもしかしたらあるんじゃないのか…

「南三陸町の商店街」

そしてこちらも被害の大きかった南三陸町の入り口にやってきた。沢山の旗が掲げられた仮設商店街があったので小休止。

「南三陸町の商店街 たこ焼き」「南三陸町の商店街(たこ焼き屋さん)」

 「橋脚だけになってしまった国道45号線」

橋脚部分しか残っていない本来の国道45号を眺めながら「多幸のたこ焼きネギマヨスペシャル」を頬張る俺。

「よみがえれ故郷 ふんばれ 南三陸町」南三陸町の中心部では、辛うじて残った鉄骨の建物で沢山の外国人ボランティアの方々が汗を流していた。皆さん本当にありがとう。故郷はきっと誰にとっても大切な場所だ。

ふんばれ南三陸町!

日没までに女川に辿り着けるのでは?と思っていたんだが…豪快に道を間違えた関係で女川町地域医療センター(旧女川町立病院)の駐車場に辿り着いたらすでに真っ暗。

そんな訳で残念ながら写真は無いが、こちらも街並み自体はほとんど変わっていない印象だ。でも秋刀魚の水揚げが始まったという明るいニュースも耳にしている。また来るよ!

「石巻市街にある3D漫画像」そんなこんなで、もはや夜と呼んでしまっても良い19時に石巻に到着。石ノ森萬画館は再開の工事が始まってた。そして商店街のヒーロー像に「よく残ってたなぁ…」などと呟いてみたりなんかして、ここからは高速使ってバキューンと家まで帰ったのでありました。

2012_09_09_ルート今日のGPSログはこちら。随分と縦に長いなこりゃ(笑)