「南アルプスあぷとライン」の風景

奥泉駅からは「南アルプスあぷとライン」に乗ります。山岳地帯を走る小さな列車でして、日本で唯一の「アプト式」として有名です。冒頭の写真はまたしても「世界の車窓から」を目指して撮った一枚。列車の雰囲気と景色に救われて、水平線が傾いてはいますが…それっぽく撮れました(笑)

南アルプスあぷとラインは、電車の車両と言うよりバスの下側を鉄道用に改造したような小さめな車両でして、外観は程良く色褪せてます。それから線路のカーブの曲がり方がもの凄く、曲がるたんびに車輪が「キーキー」鳴きます。

アプト区間だけでなく全体の勾配が多い山岳鐵道なので、手動式のパーキングブレーキらしき装備が各車両に付いてました。それからこの場所で大きな受話器のようなマイクを使って車掌さんが車窓の説明をしてくれます。鉄橋の上や見所では、スピードを落としたり完全に停車したりと、大井川鐵道のSLと同じく完全に観光客向けの路線です。ま、この電車にスピードを求めてやってくる人はいないと思うのでこれ位がちょうどいいと思います(笑)

「アプトいちしろ駅」ではこの路線の一番の特徴であるアプト式の電気機関車を連結です。実は今朝の代替輸送バスに乗った関係で、寸又峡からの大勢のお客さんとは違う一本遅い列車に乗り込んでます。そんな訳で車内はガラガラ…美味しい撮影ポジションを気兼ねなく選び放題な状態でした(笑)

奥に見えるのがアプト区間の電気機関車で手前側が全区間で列車を引っ張っているディーゼル機関車。アプト区間用の電気機関車はやたらと縦長な印象です。違う角度からの写真がこちら。

やっぱ縦に長いよなぁ。写真手前側の線路の間にあるギザギザが、電気機関車の歯車と噛み合う事で90.0‰(パーミル)の傾斜を登り切ります。

ちょっと分かりにくいかと思いますが、左の信号機の近くにあるのが90.0‰(パーミル)の標識。ちなみにこの急勾配、座席に座っていても背中に圧力が増す事を感じる程でした。

こちらは接岨峡温泉駅での上り・下り列車行き違いの様子。どことなく異国の雰囲気ですね。

ちなみに自分が乗った電車はこちら接岨峡温泉駅止まり。終点の井川駅まで行く電車までは1時間近くありますので…

接岨峡温泉駅から徒歩30秒位の場所にあるこちら「森林露天風呂」で一っ風呂。

 寸又峡温泉と同じく、アルカリ性のお肌すべすべ温泉。露天風呂を堪能しました。いやぁ…「南アルプスあぷとライン」最高だよっ!

(注)このブログの記事は基本的に撮影した時系列通りに作っていますが、この記事に関しては撮影した時刻通りにまったく並んでませんので、具体的な旅行のプランニングの直接的な参考にはなさらないで下さい。ただし、「各スポット」の魅力自体に嘘や偽りはありませんので、その点はご心配なく(笑)

千頭駅~奥泉駅の「贅沢な代替輸送バス」

    

朝起きると、昨日とはうって変わっていい天気。宿の温泉で朝風呂を頂き、朝ご飯を頂きました。ご馳走様でした。ちなみに右の写真は昨日・今日と使う「大井川全線フリーきっぷ」。

今日は「南アルプスあぷとライン」に乗りに行くので、まずは路線バスに乗って千頭駅へ。荷物をコインロッカーへ入れまして、駅で今日の分のSLの指定席券を受け取って、千頭駅から奥泉駅までの代替バスへ乗車。と言うのも去年の夏に沿線で土砂崩れが発生し、現在復旧工事中。

それからこの代替バス、何と乗っている客は大型バスに自分一人だけでした。確かに朝乗った寸又峡からの路線バスは途中「奥泉駅」にも立ち寄る訳でして、今朝は20人位が降りて行ったかな?確かにその方が何かと合理的なんですが…おかげさまで運転手さん&付き添いの駅員さんを独り占め出来ました(笑)

付き添いの駅員さんからは、土砂崩れ場所の解説、バスから見える吊り橋の紹介、それからバックで走るSLにさくらのマークを付けて走るのは今日で終わりとの情報を頂いたりと楽しいひとときを過ごしつつ…奥泉駅へ到着で~す。

「寸又峡」と「町営露天風呂」とペンション寸又峡の夕食

大井川鐵道のSLに乗って、はるばるやってきた千頭駅。この先「寸又峡」までは「大井川全線フリーキップ」で路線バスで向かいます。寸又峡へ向かう路線バスは、8割程度の乗車率(着座率?)です。これって「ハイシーズン」の時は一体どうなるんだろうか…?(汗)

そう言えば、大井川鐵道は「脱力系」な魅力に溢れた車内でしたが、この路線バスのアナウンスもかなり「脱力系」な魅力満載です(笑)

大井川沿線…本気で気に入ったよ(笑)

そんなこんなで結構早い時間ではあるが、本日の宿「ペンション寸又峡」へチェックイン。おそらくSLと路線バスの時間を考慮してと思いますが、「チェックイン 14:00~」という嬉しい設定ですな。

 【静岡県榛原郡川根本町】 ペンション寸又峡 店構え

写真は「ペンション寸又峡」。チェックイン手続きで記入した私の住所を気遣ってか「地震の時は大丈夫でしたか?」と宿のマスターらしき方に聞かれたので率直な感想を伝えた後、「ところでお客さんの入りはどうですか?」と聞いてみたところ…マスターが、さっきの俺以上にしゃべり始めた。

通常、寸又峡にやってくるお客さんは「関東圏から70% 中部圏から30%」位らしいのだが、地震の直後から2週間程は、ほぼ全ての予約がキャンセルだったそうだ。その後関東からの客足は完全に途絶えたままで、中部圏からのお客さんがここ数日でようやく現れ始めたとの事。

「関東からも「ついに」お客さんが来てくれた」訳だから…(以下省略)

あれっ?俺は本来「名古屋からの出張でやって来た」訳だから、中部圏からの客として受け止められるべきだと思うんだが…何となく「関東」からの客として扱われている気がするなぁ…(汗)

スミマセン…最後の最後まで、結局言い出せませんでした…(涙)

こちらのペンションに出張関連の「無粋&邪魔」な荷物を置いた後は、「1年前にバイクで来た時」には湯冷めが怖くて回避した「町営露天風呂」へGo!

    【静岡県榛原郡川根本町】 寸又峡町営露天風呂 店構え【静岡県榛原郡川根本町】 寸又峡町営露天風呂 湯船

「美女づくりの湯」と呼ばれている寸又峡の温泉の泉質は、弱アルカリ性という事で肌触り的に「ヌルヌル」な湯です。こんな俺でも「1週間くらい」この湯船に通う事が出来たなら…

「ミッツ・マングローブ」位には美しくなれそうな予感がする…(爆)

【静岡県榛原郡川根本町】 ペンション寸又峡 「夕食」

そしてこちらは今晩の宿の料理。宿泊先でこういうシチュエーションになる事がまず無い為、見た瞬間驚いた。

宿の方の説明によると鍋のメインは鹿肉(左上の大皿)だそうでして、人参・大根・椎茸・コンニャク・豆腐・ネギ・白菜と共に鹿肉を鍋に入れて煮上げて下さいとの事。

稚内から札幌へ戻る特急で衝突した鹿さんの仲間の肉は少々匂いはありますが、肉質自体は結構軟らかめ。それから「山女の甘露煮」は骨まで軟らかくて旨かったです。そう言えばこの味噌味の鍋、最終的に白菜の水分で煮出すという話しは確かにそうでして、鍋の出汁は最初相当少なめですが、出来上がる頃にはヒタヒタの量になります。

そんなこんなで、見た目以上にボリュームたっぷりだった鍋セット、十分に堪能させて頂きました。ご馳走様でしたっ!