本来の目的であった展示会を軽々と諦めた後は、かなり久しぶりに船の科学館へ。2011/9/30(金)をもってリニューアル準備の為いったん閉鎖されるとの事です。またこれに伴い、最終日まで料金200円(18歳以下は100円)での見学が出来るようになっていますので、夏休みの訪問先にいかがでしょうか。
またしても展示品の写真ばかりですが興味を惹かれた展示を御紹介。
何て呼ぶのか良く分からないんだが、打ち出し機?で叩いて作られたスクリューはその模様がとっても美しい。大きな構造物なのに描いているカーブはとっても繊細。コレクションとかしていそうな大金持ちがいる予感がするなぁ。
こちらは船舶用のジェットエンジン。船舶用と言ってもエンジンの中を海水が通ったりする訳ではないので仕組み的には飛行機用と変わらないみたいだが、飛行機よりも物理的な制約が少ないからなのか、全長がかなり長いのが印象的。
こちらは船舶用超伝導推進装置を使った「ヤマト1」という船のカットモデルと超伝導推進装置モデル。実はこれを見ていた時は「夢物語だなぁ…」と思っていたんだが、何とこの船実存した船でして、今は「神戸海洋博物館」に展示されているとの事。うわぁ…見てみてぇなぁ…。超伝導推進装置に至っては、実物が船の科学館の屋外に展示されていたらしいのだが…気が付かなかったよ…(涙)
トム・クランシーの小説「レッド・ オクトーバーを追え」に出てくる無音の推進装置「キャタピラードライブ」が実際に出来上がってた(もちろん無音じゃ無いだろうけど)って事なのね。
こちらは日本科学未来館で見た「しんかい6500」に使われている超高圧ポンプ。かな~り地味な一品だが、680気圧の水圧に打ち勝ってブローするのって、きっともの凄い事なんだと思う。
こちらはコンテナ船の内部構造。そう言えばコンテナを降ろす港の情報を踏まえ、積み替えが出来るだけ発生しないよう考慮する積み込みレイアウトソフトウェアを導入したところ、ハブ港での積み卸し効率がもの凄く上がったと言ってたなぁ。タモリ倶楽部かブラタモリのどっちかだったような気がする…確か横浜港の話だった気がするからブラタモリだったかな?
こちらは自動車運搬船のカットモデル。実はこの巨大な自動車運搬船、個人的に実物を見る機会が結構あります。近所の日立港が日産&ベンツの輸出入基地なので、この船が実際に接岸しています。へぇ~っ。中はこんな風になってるのか。
こちらは熊本藩が大名の参勤交代で使っていた船。風力なんて使わずに、完全に人力なのがある意味潔くて凄い。
この船の科学館、船と名の付く物なら何でも「もの凄い物量」で大型模型がありますんで、船好きにはたまらない場所かと思います。あんまりうまく撮れなかったんでアップはしませんが、1/50スケールの戦艦大和、もの凄い作り込みです。もちろん艦載機を満載した空母もあるし、現行の自衛隊の艦船模型も沢山あります。
船の科学館本館での見学の後は、屋外展示の「宗谷」そして廃船にされる雰囲気が濃厚な「青函連絡船 羊蹄丸」の見学へ向かうんですが、その前にミュージアムショップへ。ここなら売っているんじゃないかと思っていた一品が…やっぱりあったよっ!(喜) (注:撮影は自宅の壁にて)
船の掲げる旗(国際信号旗と言うらしい)の一覧が紹介された一品があるんじゃないかと思っていたら、やっぱりあったよ。ジブリの新作「コクリコ坂から」を映画館で見る事はまたしても無さそうな気がしている(何故か今まで一度も映画館でジブリ映画を見た事がない。でもTVで見て結局どの作品もみんな好きになるんだけれど…)が、TVの予告編やポスターに描かれている船の旗がずっと気になってたんだよな。
なるほど…A~Zを示す長方形の旗と、0~9を示す三角形の旗で出来ているらしい。そして「U」と「W」を組み合わせて「ご安航を祈る」。「U」と「W」に返答の「1」を加えて「あなたの協力を感謝する。ご安航を祈る」。だそうだ。
なんかこの精神いいなぁ…対価を求める事なく相手の幸せを祈る、ある意味一方的な片思い。
「U」と「W」の旗、シールを作ってバイクのどこかに貼っておこうかな?
ミュージアムショップで買い物をした後は南極観測船「宗谷」を見学。
この南極観測船「宗谷」は南極へ連れて行ったカラフト犬達との悲劇的な別れの舞台の母船であり、再会の舞台の母船でもあった。最近、日本各地で見学した博物館の展示が俺の中で繋がり始めていて実に楽しい。
こちらは宗谷が度々使用した「旗流信号」の解説。時代と共に旗の意味合いも変わりまして、この宗谷が現役だった頃は「W」「A」「Y」で「ご安航を祈る」だそうな。
羊蹄丸自体は展示内容的にあんまり見どころが無い気がするのは正直な所ではありますが、9/30以降廃船になる可能性がありますので、思い出のある方は是非!
~後日談~
青森と函館の「青函連絡船及び可動橋」が機械遺産に登録されました。日立製作所の水戸事業所にある「電気機関車ED15形」も。自分の目で見てきたものが評価されるのは、やっぱり幸せな気分になりますね。