~那珂湊から水戸へ戻ってきました~
ちょうど1年前の今頃…絵画観賞を大の苦手としている俺を、「アンソールからマグリットへ」という企画展で絵画鑑賞なる世界へ一時的にかもしれないが引きずり込んでくれた茨城県近代美術館が…またしてもやってくれた。。。企画展の名は「耳をすまして -美術と音楽の交差点-」
もしかして…俺の好みを熟知した誰かが企画立ててんのか?(爆)
今回のポスターを見掛けた時の自分自身の反応は前回以上に早かった。「これ行くっ!絶対行くっ!」と誓ったその足が向かった先は…結局「常陸多賀駅のトイレ」だったり、自宅のベッドの上だったりしたのは昨日の記事にある通り(汗)
去年思いっ切り遠回りして来た事があるので(笑)迷うことなく千波胡の畔に位置する茨城県近代美術館へ到着で~す。電車内で読んだ「ときわ路パス」の注意書きによると、切符の提示で割引になる施設の一つだそうな。企画展でも適用されるのかさっぱり分からなかったんですが…一応受付で聞いてみると…「団体料金」で入れました。缶ジュース一本分お得ですな(笑)
会場に入って、「この企画展の背景について」的な「お堅い解説」のパネルを読んでいた所…博物館…じゃなかった美術館の若い女性の職員の方(こういう方を学芸員って呼ぶんですかね?不勉強で申し訳ないです。)に、こう声を掛けられた。
「あの…2:30から、この先で「氷のレコード」の再生会があります。もし宜しかったらそちらを聴いてみては如何でしょうか?今なら間に合う…と思います。」
…1日早めのバレンタインチョコ、確かに受け取りましたっ!(爆)
冗談はともかくとして、「氷のレコード」の話に乗らない理由は全く無いので美術館の展示スペースを「競歩」状態で進みまして…ちょっとした人だかりを発見。おっ!ここですなっ(喜)
ソノシート(死語)とかが全盛だった「俺の幼少時代」に活躍していた小さなレコードプレーヤーに群がる10名程。「氷のレコード」は意外な高音質で鳴るものの…「素材は信越ポリマー」っぽい雰囲気を勝手に感じる「シリコンゴム」の型から取り出した今回の氷のレコード、凸凹な仕上がりの関係か、1フレーズ鳴る前に音飛びしまして…再び同じ位置に戻ります(笑)
何度もレコードの針の位置をかえたりして実演されている学芸員の方には申し訳なかったんですが…これこそが「美術の側からの音楽へのアプローチ」なんではないかなぁ…と感じたりもしたのは確か。音楽の側しかかじった事の無い俺にしてみれば、自分の表現なんてものは「その一瞬」にだけ存在しているだけなのが普通なのであって、5分後…10分後…1年後…100年後に「自分の表現」をそっくりそのまま振り返る事なんて出来ないのが本質。絵心0な俺が言う事なので間違っているかもしれないが、5分後…10分後…1年後…100年後に残ってしまうのが「美術」なのかも。氷のレコード…凄まじいところを突いている気がする。
ちなみに「氷のレコード」に刻まれていた曲は…忘れた…(おいっ!)
ピアノ曲で副題が付いていた曲…確かドビュッシーの「月の光」だったと思うんだがなぁ…振り返りながら頭の中で色々と曲をかけたら…色々とごちゃ混ぜになって良く分からなくなったよ…(爆)
氷のレコードを観賞した後は、冒頭から観賞開始です。前回同様、説明文だけ読んで次の作品へ行ってしまいそうな自分自身を無理矢理矯正しつつ…前回よりはまっとうに?観賞出来ました。まったくもって個人的な感想が大部分を占めるので、箇条書きでさらっと行きます。
~ 茨城県近代美術館の「耳をすまして」の感想 ~
先日たまたま買っていた新書「音楽で人は輝く ワーグナー派 vs ブラームス派」で読んでいた「ワーグナーとブラームス」という視点で見る事が出来る展示だった。誰が描いたかは良く覚えていない。目録は俺みたいな奴こそ買うべきものなのだろうか。
ワーグナーのオペラの背景にあるであろう劇場的・宗教的な画がまさに目の前に描かれていた。ワーグナーの音楽は…確かに美術館向きな存在かもしれない。もちろんそれが悪いと言いたい訳では無い。
かたやブラームスは…「プロメテウスの創造物」という直接的にはブラームスとは関係の無いベートーヴェンの歌劇をモチーフにしたブラームスの歌曲の楽譜を中心に添えた展示だけだった。。。何故だっ!
「…坊やだからさ…」(へっ?)
分からない・理解できないことが多々あったのが正直なところであるが…ジョン・ケージの「4分33秒」という曲?の解説には踵を打った。音楽として理解しようとする「4分33秒」と、美術(芸術?)の側からみたこの曲の存在…全く違った一曲だと知った。そうか…なるほど…