現実は想像以上に厳しかったが

皆さんご存知の通り、福島県にある原発の動向に関して心配されている方も多いと思う。

私自身、茨城県の北部を拠点に活動している会社の一員ということもあり、同じ職場には福島県いわき市から来ている方もいたりする。未だ断水が続いていたりと相当大変な状況との事で、各種輸送用のトラックまでもが屋内待機のエリアという事でやって来ないとの話も聞いたりしている。

実際問題、一体何がどうなってしまっているのか気になるので、現地の邪魔にならない程度に行ってみる事にした。

常磐道は磐越道との分岐「いわきJCT」から北方へ「いわき四倉IC」までは一般車でも行けたが、ICを降りてから屋内待機エリアへ北上する道路上にはバリケードと警察官らしき姿が。海沿いの国道6号方面へは行けたのでそちらへ向かったが、日曜日の午後と言う事を加味しても恐ろしく交通量が少ない。

いわき市久之浜町で国道6号に合流したが、国道上の通行止めのバリケードはもはや誰が何の為に置いてあるのかが良く分からず、誰も気にしていない状況。車の往来は時折通りがかる地元の自家用車以外は皆無に等しく、この一帯のあらゆる活動が全て止まってしまっている印象。

写真の後ろの電車は、恐らく地震の日に止まって以来そのままになってしまっている常磐線の電車。線路等は無事だったようだが、この近辺の家屋は軒並み津波の被害にやられてしまっている。そして時折片付けをしている方を見かけはするものの…恐ろしいまでに人間の生活臭を感じられない場所に成り果ててしまっている。

今日の海は皮肉にも穏やかで美しい。いや…この考え方自体が自然の力の大きさと自分の弱さを理解出来ていない証拠なのかもしれない。

四倉港~塩屋崎~小名浜港の海岸線付近では、もはやTVや新聞で見た東北の被災地と変わらない光景が広がっていた。TVの画面から飛び出してきた訳ではなく…これが現実なのか。もはや後片付けと言う言葉では追いつかない膨大ながれきの山と、同じ位大きな喪失感。

四倉港で上の写真を撮って以降は撮るのをやめた。今日の事は誰かに説明したい訳では無く、今回起きた事を自分なりにきちんと理解しておきたかったのが動機。今回目にした光景を忘れる事はもはや無いだろうが、この光景が永遠に続くとも思ってはいない。

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